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【試乗】PHEV頂上決戦! アウトランダーと新生ハリアーPHEVを乗り比べたらけっこうな違いがあった (2/2ページ)

【試乗】PHEV頂上決戦! アウトランダーと新生ハリアーPHEVを乗り比べたらけっこうな違いがあった

この記事をまとめると

■トヨタ・ハリアーPHEVと三菱アウトランダーPHEVに試乗した

ハリアーPHEVには重厚感、アウトランダーPHEVにはゆったり感があり、乗り味はまったく異なる

■ハリアーPHEVはどこかハイブリッドカー的であり、アウトランダーPHEVはEV的な印象を受けた

同じPHEVでもその乗り味はまったく違った

 トヨタのハリアーに、プラグインハイブリッド車(PHEV)が追加された。これにより、トヨタ車のPHEVは、プリウスPHV、RAV4 PHVとともに、3車種になった。

 PHEVの先駆者といえるのが、2012年のプリウスPHVだ。約1年あとに、三菱自動車工業のアウトランダーPHEVが発売になった。2代目アウトランダーの途中の2012年に発表され、翌年1月から発売された。プリウスPHVがモーター走行距離26.4kmであったのに対し、アウトランダーPHEVは60.2kmであった。1日にクルマで移動する距離は一般的に40〜50kmといわれるので、アウトランダーPHEVのモーター走行性能はそれを満たす距離に達していた。その実用性の高さから、北欧などで販売を伸ばした。

 現行車での比較をすると、ハリアーPHEVのモーター走行距離は93kmで、アウトランダーPHEVは85~87km(グレードによって幅がある)である。ハイブリッド走行となってからの燃費は、ハリアーPHEVがWLTCで20.5km/L、アウトランダーPHEVはWLTCで16.2~16.6km/Lである。いずれも、ハリアーPHEVが数値で上まわるが、ハリアーPHEVの車両重量が1950kgと2トンを切っているのに対し、アウトランダーPHEVは2010~2110kgと重いので、どうしてもエネルギー消費は多くなるだろう。

 ちなみに、車載のリチウムイオンバッテリー容量は、ハリアーPHEVが18.1kWhであるのに対し、アウトランダーPHEVは20kWhと多めになっている。

 両車を比較試乗してみると、乗り味がまったく違うのを知る。

 ハリアーPHEVは、ハイブリッド車(HV)に比べ乗り味がより高級な印象を与え、静粛性や重厚さが増すが、やや硬めの乗り心地であるところは共通だった。それに対し、アウトランダーPHEVはゆったりとした乗り心地で、運転操作に対し車体がある程度動くが、しなやかさを伝え、たとえるなら英国のレンジローバーなどを運転するような優雅さがある。

 それでも、速度を上げて走った場合にはもう少ししっかりとした手ごたえを得たいと思うかもしれない。そのときには、アウトランダーPHEVは前後のモーター駆動をより積極的に制御するS-AWC(スーパー・オールホイールコントロール)を装備するので、ターマックモードを選択すると、手応えの確かな俊敏さを感じることができる。S-AWCは、ノーマルモードやターマックモード以外に、エコ/パワー/グラベル/スノー/マッドという選択肢があり、路面状況や走行状況に応じたモーター制御を行うことができる。三菱自が、パジェロやランサーなどで開発・熟成してきた4輪駆動を活かす走りを、モーター駆動でより精緻に行える機能をアウトランダーPHEVは備えているのである。

 ほかにも、アウトランダーPHEVは、成り立ちが軽EVのi-MiEVを基にした設計だったことから、イノベーティブペダルと呼ぶワンペダル的なアクセル操作ができる機能を備える。これを使うことで、速度調節はもちろん、停止の直前まで回生を活かして減速するので、バッテリーへの充電をより促すことができる。

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