この記事をまとめると
■MT車は操作ミスによってエンストすることがある
■坂道では後退してしまうことも
■公道でのエンストや坂道での後退は違反になるのだろうか？
基本的に追突した側の責任となる
教習所時代に苦労した人も多い、MT車の発進。平地でのエンストからはじまり、坂道発進でミスをしてクルマが後退……。それがトラウマになっている人も？
その後、無事に免許をとってベテランになっても、ときにエンストしてしまうことぐらいあるだろうが、発進時のエンストや坂道での後退は違反になるのだろうか？
結論からすると、違反にはならない。発進直前のエンストが違反になるなら、アイドリングストップなんて許されなくなるし、仮にエンストしたクルマに後続車が追突した場合でも、基本的な過失割合は（追突したほう）100：0（追突されたほう）だ。
少し動き出してからエンストした場合はどうなるのか。追突事故は走行中でも追突した側に100％過失があるとされるのが基本なので、後続車は十分な車間距離をとって、前方不注意をとられないように気をつけておく必要がある。
一方、坂道発進で失敗し、後退してしまった場合も、後退自体は違反ではない。しかし、後退して後続車にぶつかったとなると、後退したクルマの過失が100％になるのが基本。
ちなみに教習所の修了検定や卒業検定では、発進時のエンストは5点のマイナス（100点満点で70点以上なら合格）。ただし、1回目は減点の対象にならず、エンストを2回すると5×2で10点の減点になる特別減点項目に該当する。なお、同じ場所でエンストが4回連続した場合はその時点で一発不合格となってしまう。
坂道発進で後退したときは、1ｍ以上下がると「逆行（大）」で、一発で検定中止。0.5～1ｍの間で下がってしまった場合は「逆行（中）」となり、20点減点というルールだ。
最近では、F1マシンにもアンチストール機能がついていたり（車載のスターターがないため）、MTのスポーツカーにも、ヒルスタートアシストコントロールやオートブリッピングが用意されている車種があるが、わざわざこの時代にMT車に乗るのなら、そうしたドライバーズエイドに頼らないのが、本筋だと思うのだが……。
それはともかく、安全のためにもエンストや坂道発進での後退などはしない方がいいので、ベテランでも油断せず、MT車ビギナーなら練習を積んで、自信を持ってクラッチミートできるようになっておこう。