高齢化率が高いからこそ高齢ドライバー対策でリードすべきだ
一方、海外での高齢ドライバー問題はどうなっているのだろうか?
全人口に占める65歳以上の割合である高齢化率では、日本は約3割でもっとも高く、欧州各国が2割台、また自動車販売台数が多い中国やアメリカでも1割台という。こうしたデータを基本に考えると、高齢ドライバーによる事故について、各国は詳細なデータを公開していないが、日本に比べて少ないと考えられる。
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実際、欧米各国で地元のテレビニュースや新聞、ネットニュースなどでの報道を見る限り、日本のように高齢ドライバーによる事故が頻繁に起きている印象はない。
そのほか、複数の日系自動車メーカーのADAS(高度運転者支援システム)関連の開発者と海外での高齢ドライバー事故への対応について意見交換した際も、海外では日本ほど高齢ドライバーによる事故が目立つという印象はない、と話す。
国によっては、実際に事故が起こっていても表沙汰にならないケースもあり得るだろう。また、欧米やオセアニアなどでは、高齢ドライバーへの対応として、運転免許の限定項目として移動する地域などを加えるなどの対応をしている場合もある。
見方を換えると、世界屈指の高齢化率が高い社会である日本は、高齢ドライバー対策で世界をリードしなければならない立場にあると言えるだろう。