
この記事をまとめると
■クラウンクロスオーバーでもっともスポーティな「RS」に木下隆之さんが試乗した
■ダイレクトシフトの6速ATにより階段を登るようにエンジン回転がステップしていく
■FR的なフットワークで想像以上に軽快な旋回マナーを示した
伝統を捨て新たなステージへと駒を進めた新クラウン
16代目クラウンは劇的に変わった。今後4タイプのボディスタイルが出揃うことになるとのことだが、まずデビューしたのはクロスオーバーだ。いわばSUVのそれで、車高が高く、ハッチバック風のスリークなスタイルである。日本の高級車の勇として君臨してきたクラウンは、これまでの伝統を捨て去り、新たなフェーズに駒を進めたのだ。
特徴的なのはそのパワーユニットである。直列4気筒2.5リッターハイブリッドをメインに展開するのは想像どおりだが、新たに直列4気筒2.4リッターターボ・デュアルブーストハイブリッドを開発、もっともスポーティな「RS」には設定されたのが最大のエポックだ。
加速はかなり力強い。ベースとなる2.5リッターハイブリッドのパワーは、186馬力/221Nmなのに対してデュアルブーストハイブリッドは、272馬力/460Nmと飛躍的な強力だ。
モーターパワーには数値上に劇的な違いはないが、特徴的なのはエンジンの出番が控えめなことだ。常に唸りながらパッテリーチャージすることもない。低回転のトルクで加速させながら、同時に低回転でバッテリーに電力を補充する。