この記事をまとめると
■ラスト・ワンマイル・ライドとして欧州でも電動キックボードが人気
■レジェンドな4輪/2輪メーカーからも電動キックボードがリリースされている
■いずれのモデルもブランドのイメージを活かした一味違ったモデルとなっている
電動キックボードは欧州でも大人気だった
都内の目抜き通り、片側3車線ある道路を颯爽と駆け抜けていくキックボード! 最近ではさして珍しくもないシーンです。が、ヘルメットを着けるでもなく、プロテクターが仕込んであるとも思えないカジュアルな服装で乗っているのを見ると、いささか心配になるクルマ好きも少なくないのでは。
一方で、レッドブルやブガッティといったレーシー、かつレジェンドなブランドから立て続けにキックボードがリリースされているのも気になるニュースに違いありません。やはり、クルマやレースに強いメーカーのプロダクトは普通のキックボードとはひと味もふた味も違う仕上がりです。
レッドブル RBS#01
あたかもキックボードのF1かのような「マシン」として仕立てられたのがRBS#01です。フィニッシュの美しいカーボンを多用し、一般的なキックボードに比べて大型化されたデッキ(ヒトが乗るボード面)や、極太のタイヤなどF1コンストラクターらしいアグレッシブな電動キックボードといえるでしょう。
最高速は45km/hに制限されているものの、航続距離は60km。また、25度までの登坂力が持たされながら、5時間でフル充電が可能というコンビニエンスも嬉しいポイント。さらに、ドリルドローターを2枚使ったブレーキシステムもレッドブルらしいこだわりでしょう。高い制動力なくして、怖くてスピード出せませんからね。
また、極太タイヤは優れた直進性をもたらすため、キックボード初心者でも「オンザレール」感覚で乗りこなせるとのこと。カーボンのおかげで総重量23kgというのも取りまわしや持ち運びが有利となること間違いありません。
これでお値段6000ドルというのはかなりのお買い得かと。同社のF1マシンは買えずとも、パドックなんかで乗ってたらF1、いやそれ以上の注目を浴びること間違いあありません!
ブガッティ エレクトリックスクーター
名門中の名門、ブガッティさえ電動スクーターをリリースするって、いくらユーロ圏で推奨されてるからって、どんだけブームなんでしょうか。ていうか、これ作る余力あるならスーパーカーの納期早めてよ、なんて声も聞こえてきそうですがね。
もっとも、キックボード(電動スクーター)の出来栄えはさすが名門ならでは。こうした製品でとかく軽視されがちなデザイン、安全性を追求し、ほかにはない1台に仕上がっています。フレームにマグネシウムを使ったおかげか、複雑な曲線までも表現し、ここにブガッティでおなじみのブルーをラインアップするなど、大金持ちのガレージにも似合いそう。
また、リヤホイールにE-ABSなるブレーキシステムを装備することで動的安全性を高めたほか、キックボードとしてはレアなテールライトも装備。さらに、後方路面にむけてEBのモノグラムを照射するプロジェクターをつけたことで「オレ、ブガッティ乗ってるよ」アピールもバッチリ!
加えて、自転車によくある「チャリン」と鳴らすベルもついてます。いったい、ブガッティのベルはどんな音鳴らすのでしょうか。個人的には一番気になるポイントでした。
アウディ e-tron scooter
デキのよしあしは別としても「理屈っぽいなぁ」というかドイツメーカーらしいと思わせられたのが、アウディの4輪電動スクーター「e-tron scooter」同社のEVテクノロジーがフィードバックされただけでなく、4輪走行というのは間違いなく「クワトロ・システム」へのオマージュに違いありませんよね。
当然、走行安定性は2輪モデルをはるかに凌駕するもので、スコップの持ち手かのような「ツイストグリップ」による操縦性もまたクイック、かつコントローラブルだそうです。最高速度20km/h、航続距離20kmというデータながら、重量12kgというのは好評価を受けそう。
なにしろ、アウディは「ラストマイル」ライドとやらを推奨しており、これはクルマで目的地の近くまで行ったら、e-tron scooterに乗り換えて「さらなる省エネ、さらなる環境適合」を狙ったわけです。その際、持ち運びできる重量としてはこれくらいが限度ではないかと。
しかも、お値段2000ユーロ(25万円程度)となると、e-tron車を買ったら「ついでに頼むわ」となりやすいのでは。かえすがえすも、マーケ戦略に目ざといメーカーです!