プリウスはエンジンを愛するユーザーへ向けたモデルへと変化
プリウスというブランドのイメージも大きく変わっている。エンジンを積んでいない純粋な電気自動車と比べるとインテリジェンスやスマートといったイメージでは、すでにプリウスの優位性はないともいえる。
そうして認識されてしまうことを、トヨタは重々承知しているだろう。あえて言い切ってしまえば、プリウスはエコカーからエンジンを愛するユーザーへ向けたモデルへ変身したと理解すべきだ。
まだまだエンジンを積んでいるクルマを求めるマインドはありつつ、さすがに荒々しい高回転ユニットに乗っているのは時代にそぐわない。そうした認識を持つユーザーにとっては、ときにエンジンの鼓動を感じ、シチュエーションに合わせてエンジンを使わずに走ることのできるハイブリッドカーは、ベストなソリューションといえる。
実際、新型プリウスの中心グレードは2リッターエンジンのハイブリッドになるという。タイヤサイズは、19インチもしくは17インチで、燃費最優先の15インチタイヤを履いた仕様は用意されない模様だ。つまり、新しいプリウスは燃費よりも走りのフィーリングを重視した方向でセットアップされていると予想できるのだ。
まとめると、新型プリウスが見据える次の25年は、どんどん厳しくなる環境規制のなかで、最後までエンジンを味わうことのできるスポーティモデルとして存在価値を示していくという方向性だろう。ハイブリッドが特別なパワーユニットではなくなったからこそ、プリウスは大胆に方向転換できた、といえそうだ。