この記事をまとめると
■フロントにスペアタイヤを装備したクルマを紹介
■オプションで用意されていたほか保安基準の問題により途中から廃止になったモデルがある
■同様の装備を搭載した新車は現在作ることはほぼ不可能だろう
フロントにスペアタイヤを装備したおしゃれなクルマを紹介
現在では衝突安全の基準や歩行者保護の観点からもフロント部分にスペアタイヤを装着した車両が新たに登場することは難しそうだが、過去にはそういった車種も存在していた。そこで今回はそんな存在感抜群のフロント部分にスペアタイヤを装着した車両をいくつか振り返ってみたい。
ホンダ・バモスホンダ
1970年に登場したバモスホンダは、当時の同社の軽トラックであったTN360をベースに生まれたレクリエーションビークルだ。基本的にドアや屋根は備わっておらず、簡易的な幌が用意されるだけとなっており、バギーのようなルックスとなっているのが最大の特徴となる。
一応ジャンルとしてはピックアップトラックとなっていたこともあってか、荷台を圧迫しないようにという配慮もあってかスペアタイヤをフロント部分に装着。当時は衝突時のショックを吸収するという名目でフロント部分に装着されたと言われているが、果たしてその効果はいかほどなのだろうか?
ダイハツ・ミゼットII
1950年代~70年代にかけて、多くの小売店のビジネスパートナーとして愛された3輪トラックのミゼットの現代版として、1996年に登場したミゼットII。タイヤの本数こそ4本となったが、ひと目でそれとわかるルックスや、軽自動車規格の最大寸法よりもふたまわりくらい小さなボディが愛らしい1台だ。
そんなミゼットIIもフロント部分にスペアタイヤを装着した車両のひとつ。10インチと小径のタイヤホイールはそれだけでも可愛らしいものだったが、スペアタイヤカバーなども用意され、ドレスアップアイテムとしての役割を果たしていた。
しかし1998年10月に軽自動車の規格が改訂され衝突安全基準が強化されると、ミゼットIIも1999年8月のマイナーチェンジでフロント部分のスペアタイヤを廃止し、大型フロントバンパーを装着するなどして対応することとなった。
スバル・ドミンゴアラジン キャンパー
スバルが生んだ名商用車であるサンバーをベースに、大型バンパーや3列シート、そして普通車クラスのエンジンを搭載して誕生したドミンゴ。その2代目モデルにはアラジンというサブネームを付けられたものが存在していた。
このアラジンは、ドミンゴをベースにルーフ部分をポップアップ式としたもので、ポップアップしたスペースがベッドスペースになるというキャンピングカーのベースとなるもの。そのアラジンにキャンピングカー用の装備を架装したキャンパーというものも存在していたのだ。
このキャンパー、仕様によってはスペアタイヤを車内に備えることができなくなってしまうために、わざわざフロント部分に専用のボックスを設定し、そこにスペアタイヤを格納できるようにした仕様も用意されていたが、そもそもアラジン自体が282台しか売れておらず、フロントスペアタイヤ仕様が何台作られたのかは謎のままだ。