深刻な納期遅延のなか「軽の未使用中古車」が大量に並ぶ! 謎の光景の真相とは? (2/2ページ)

納期遅延どころか新車が買えない状況に

 ちなみに、いまの納期遅延が目立つなかでなぜ未使用中古車が展示されているのか疑問に思う人もいるかもしれない。おもにディーラーとなり契約内容が異なるケースもあるが、大口業者との間ではディーラー名義などでナンバープレートを取得しただけの未使用状態の車両、つまり自社届け出車両を供給する台数をあらかじめ決めて取り引きされているとも聞いている。

 つまり、ある意味未使用中古車販売業者もメーカーやディーラーから見ればお客様なのである。そして、生産遅延が影響して当初の計画通りに供給されていないのも一般ユーザーと状況は同じ。ただ、年初などに確約した供給台数をクリアしないといけないところが異なる。そのため、一般ユーザー向けとフリート(大口契約)ユーザー向けでは生産管理が異なるメーカーもあるとも聞いたことがある。そのためレンタカーも同じような流れとなっているが、関係者に聞くと「供給タイミングは乱れているようだが、それでも新車の供給は続いている」と話してくれた。つまり、供給体制が異なることもあり、フリートユーザーへも供給が続き、それが未使用中古車として店頭に並ぶのである。

 ただ、そのような流れを認識していても、いまのダイハツの届け出済み未使用軽中古車が展示場に溢れる光景は、筆者にとっては異様に映る。それだけ軽乗用車販売でもトップを狙いたかったのかもしれない。

 登録車では、新型車のデビューも目立っているが、思うように数字が戻っていない印象を受ける。最大の要因はもちろん生産遅延による、深刻な納車遅延である。最近では単に納期が延びていくだけでなく、新規受注を停止する車種も目立ってきている。つまりこれまでは“待っていれば新車はくる”という状況であったのに、“新車自体買えない”といったことも目立ってきているのである。新型エクストレイルも新規受注を停止しているのだが、あるディーラーでは“2024年冬に新規受注再開予定”と説明を受けて耳を疑った。年が明けると2023年になるので、1年間は注文すら入れられないということになる。たとえ発注できたとしても、トヨタ・ノア&ヴォクシーでは、オプション選択次第では納車予定がすでに2024年初秋ごろと案内しているディーラーもあるとのこと。

 ただ、予約段階で注文を入れた筆者の改良後のトヨタ・カローラセダンのガソリン車は注文を入れて4カ月ほど経つ、2023年1月中には納車になりそうだ。現状のような非常事態ではなく、平時でも即納可能なディーラー在庫車などでない限りは、納車に2カ月ほどかかるのも珍しくなかったので、意外なほど短い“納車待ち”に驚いてしまった。

 とにかく状況は日々そして車種ごとにめまぐるしく変化しているといっても過言ではない。メーカーも混乱しているので、メーカーからの情報を受け取るディーラー次第で、細部では説明が食い違うこともある。新車の購入を検討して車種を絞り込んだら、トヨタ系なら、トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店、日産系なら日産店、プリンス店、サティオ店という販売チャンネルが自分の生活エリアで存在していれば、それぞれの店舗をまわり、情報の精査をすることをおすすめする。ホンダ系はホンダカーズという屋号は共通なのだが、“●●”という地名だけや、“●●北”といったように、ホンダカーズに続く部分が異なると資本の異なるディーラーになるので、やはり複数の資本の異なるホンダカーズをまわり情報精査することが可能である。今の新車販売非常時では、情報を制することがまず大切なのである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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