「ETC2.0」や「360度モニター」のオプションを選ぶと1年近くも納期が遅れる! 用品供給不足による新車販売現場の泥沼感 (2/2ページ)

周辺機器への影響が深刻

 このほかに、トヨタ・ノア&ヴォクシーでは、パノラミックビューモニターを選ばなければ、2023年晩夏ごろが納車予定となっているが、Xグレードを除きパノラミックビューモニターを選ぶと、2024年初夏までと納車予定が一気に伸びるようである。RAV4もパノラミックビューモニターをアドベンチャーでオプション選択すると、およそ8カ月納車が延びるようである。

 以前トヨタ系以外のディーラーで話を聞いた時も、「車両生産ラインで装着するETC2.0が間に合わず納車が遅れるので、ライン装着せずにディーラーの店頭で一般的なETC車載器を装着して納めたことがある」とか、「供給状況がそんなに乱れていない車種ですと、納車予定車が店頭にきてもディーラーオプションのカーナビが間に合わず、カーナビを装着しないまま、また1DINオーディオを装着して、カーナビを後付け扱いとして車両だけ納めた」といった話も聞いたことがある。半導体不足による影響は、車両生産よりも周辺機器のほうが深刻になっているようである。「えっ、そんな理由でも?」といったことも納期遅延を深刻化させていることがあるのだ。

 そのようなこととなったお客のなかには、「それでは、カー用品量販店で装着するからカーナビレスで……」と言う人もいるようだが、「量販店に行っても供給不足状況はそんなに変わらないないですよと、ご案内しております」とはセールスマン。

 車両生産における半導体不足よりも、周辺機器の半導体不足のほうが問題は厄介なようである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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