最近のトヨタはボルト式を採用
なお、コスト面でいえばナット式は部品点数こそ多いもののメーカー内での全車共通パーツとして使われていることが多く、大量生産によるコストダウン効果は大きい。
さて、締結力の違いについてだが、公道レベルの負荷でいえば、どちらの方式が明確に優れているとはいいづらい。
ナット式であってもきちんと締め付けトルクを管理しておけばホイールが外れしまうということはあり得ない設計となっているし、ホイール締結力の違いを感じられるような走りをするユーザーもほとんどいないだろうからだ。
とはいえ、最近のトヨタがナット式からボルト式に移行しつつある点は注目したい。レクサスISではマイナーチェンジでボルト式へ変更するなど、走りにおける締結力アップのメリットは無視できないと考えているようだ。
もっとも締結力では有利になるはずのボルト式を採用した電気自動車bZ4Xが、ボルトが緩んでしまうというリコールを出したのも記憶に新しい。方式によるメリット・デメリットよりもメーカー自身がきちんと設計することのほうが重要といえる。
その意味では、各社でデータの蓄積がある“慣れた”方式のほうがユーザー的には安心感があるといえるかもしれない。
そして、タイヤ交換をDIYで行なう際にも、トルクレンチを用いてメーカーの指定値である締め付けトルクを守ることが基本中の基本といえる。そうした管理が面倒だというのであれば、ディーラーやプロショップなど信頼できるメカニックに作業を依頼することをおすすめしたい。