マニアもクルマのプロも知らないってどういうこと!? 日本人の大半が聞いたことすらない世界の自動車メーカー【ヨーロッパ編】 (2/2ページ)

チェコ・ルクセンブルク・ルーマニアの自動車メーカー

 引き続いてスイスの自動車メーカーを調べる。スイスには大規模な自動車産業はないが、「リンスピード」や「スバッロ」など、これまでジュネーブ・ショーの常連としてさまざまなコンセプトのモデルを公開してきたメーカーが存在する。

 そしてここ最近の話題は、長く活動を中断していたものの見事に復活を遂げた「イスパノ・スイザ」。400km以上の航続距離、2.6秒未満の0-100km/h加速という性能、そして高級感の極みを備えるこの新型車を投入するという彼らの活躍には大いに期待したいところ。

 そういえばチェコには「MTX」というスポーツカーメーカーもあり、彼らはほかに警察車両や救急車両の製作も手がけている。その規模はさほど大きなものではないというが。

 ヨーロッパはまだまだ広い。まずは大陸側を一気に片づけておこう。ベルギーに本社を構える「ジレット」社は、1994年にレーシング・ドライバーのトニー・ジレット氏が設立したスポーツカーメーカー。当初はアルファロメオ製のエンジンを使用していたが、2011年以降はマセラティ製へと変更。新たに「ヴェルティゴ5スピリット」と車名も一新されている。

 ルクセンブルグの「MDI」は、こちらもインドのタタから資金提供を受けるベンチャー企業。彼らが行っているのは圧縮空気を動力源とする究極のエコカー開発。エアボッドと呼ばれるそれが実用化されれば、それは大きな話題となるに違いない。

 ルーマニアのメーカー、「ダチア」も忘れてはならない。同社は1966年に設立され、最初はルノー8をダチア1100という車名でノックダウン生産していたが、2004年に発表したロガンの成功によって一気にその評価を高めた。その後車種ラインアップも急速に広がっている。

 さて、ルーマニアまで来たのなら、どうしても避けられない次の国はロシアということになるのだろうか。ちなみにロシアで最大の自動車メーカーは「アウトヴァース」。日本でもっとも知名度のあるプロダクトは、あのラーダ・ニーヴァだ。もちろん現在では、グランタなど現代的なモデルの生産も行われている。

 2005年から現代的なSUVのパトリオットを生産している「UAZ(ワズ)」もロシアでは根強い人気を持つブランドだ。

 ほかにはロシア初のスーパーカーとなるべく、マルシャ81を開発していた「マルシャ・モーターズ」などが存在したが、多くの自動車メーカーがそうだったように、その夢が叶うことはなく倒産へと追い込まれた。

 ヨーロッパの大陸側をざっと見たところで、次はあまり足を踏み入れたくない国に進もうと思う。その名前は多くの人が想像するとおりイギリス。とにかくこのイギリスという国、大小含めて自動車メーカーの数が多すぎる。というわけで、今回はここで一時休憩。次回は残りのイギリスやアメリカなどを中心に、知る人ぞ知る自動車メーカーの紹介を続けたいと思います。たぶん、ね。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
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