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シティ派からピックアップトラックまで! 三菱の新旧SUVモデルを紹介 (1/2ページ)

シティ派からピックアップトラックまで! 三菱の新旧SUVモデルを紹介

この記事をまとめると

三菱の現行SUVラインアップを紹介

■話題のコンセプトモデルの情報も

■過去に生産されたSUVモデルも振り返る

かつてパジェロで一躍SUVイメージが定着した三菱の現在とは

三菱の現行SUV車種と今後投入予定の注目車種を紹介

 パジェロやランサーエボリューションなど、ビッグネームが次々と廃止されるなど、ひと昔前に比べてラインアップが大幅に減った三菱。

 ただ、同車のSUVは近年、じわじわと注目を集め始めています。

 パリダカで活躍しその名を高めたパジェロはもうありませんが、同車が販売するSUV、また名車が揃う過去に販売されていたSUVを取り上げます。

三菱自動車のSUVの特徴について

 近年、アウトランダーなどのPHEVを中心に三菱のSUVを評価する声が多くなってきました。現在販売されている同車のSUVについてその特徴を紹介してきましょう。

統一されたフロントマスク

 SUVをはじめ、現在の三菱車には「ダイナミックシールド」と呼ばれるフロントマスクを採用しています。

 力強いパフォーマンスとプロテクト感を表現した個性的なデザインで、2018年に登場したエクリプスクロスに初めて採用されました。

 現在は上部にデイタイム・ランニングランプ、下部にヘッドランプを配置して見た目のアクセントを付けたグリルとしていますが、これはデザイン効果だけを狙っているわけではありません。

 上部にデイタイムランプを配置することで歩行者の視認性を高め、ヘッドランプを下部に配置することで対向車や歩行者の眩惑防止を実現。ランプ類のレイアウトを上下に分けたことで機能性を追求しています。

4WDの車両制御システム

 三菱のSUVに搭載されている4WDシステムは大きく2つにわけられます。

 ひとつはPHEVに搭載されている前後に搭載された、電気モーターで前後輪を駆動するツインモーター4WD。

 もうひとつが電子制御多板クラッチ式4WD。どちらも前後駆動力配分制御と四輪独立ブレーキ制御によるS-AWC(車両運動総合制御システム)を採用しているのが特徴です。

 これらのシステムは四輪の駆動力を最適制御。タイヤのグリップ力を引き出し、運動性能を最適化するもの。三菱のSUVは操舵性や旋回性に優れた4WDシステムを搭載していることが大きな特徴といえます。

近年はハイブリッド(PHEV)車種も展開

 三菱はPHEVの量産化を早い時期から進めていますが、最初に市場投入したのが2013年に発売されたアウトランダーPHEVでした。

 その後、エクリプスクロスにも用意されるなどPHEVのラインアップを拡大。2021年にフルモデルチェンジされたアウトランダーは全車がPHEVとなるなど「三菱SUV=PHEV」とのイメージが強くなりました。

新車で購入可能な三菱のSUV車

 現在、ラインアップされている三菱のSUVは3台(※ミニバンやハイトワゴンベースの軽自動車は除く)。アウトランダーをはじめ、新車で購入可能なSUVの特徴を解説します。

アウトランダーPHEV

価格:462万1100円〜548万5700円

サイズ:全長4710mm×全幅1860mm×全高1740〜1745mm、ホイールベース2705mm

乗車定員:5/7名

 2013年に初めてPHEVを市場に投入したのが先代アウトランダー。販売台数こそ多くはありませんでしたが、世界初の4WD+PHEVとして世界的に高い評価を得ました。

 現行モデルが登場したのは2021年10月。海外仕様とは違い、国内で販売されるモデルはPHEVのみを用意したのが特徴です。

 パワートレインは2.4リッターガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせた、プラグインハイブリッドシステム。エンジンで発電してその電力を用いたモーターを使用し走行する“シリーズ式ハイブリッド”ではありますが、エンジンと駆動軸を直結するクラッチを装備。高速道路での走行などEV走行が苦手とする領域では、クラッチをつないでエンジン走行する“パラレル式ハイブリッド”としても機能するシステムとなっています。

 気になる燃費性能は16.2〜16.6km/L。EV走行距離は87km(ともにWLTCモード)と2トンを超える重いSUVとしては優秀な性能を備えました。

 アウトランダーは電気モーターを前後輪にそれぞれ配置しているのもハイブリッドシステムの特徴といえるでしょう。前後輪の駆動力配分は三菱独自の制御技術ツインモーター4WDにより、路面状況や走行シーンに合わせて制御。四輪独立制御を行うブレーキも合わせて左右輪の駆動力配分も理想化し、車両の運動性能を大いに高めています。

 アウトランダーのエクステリアデザインは「ボールド・ストライド」をテーマに、力強い逞しさを追求したもの。三菱が進める「ダイナミックシールド」を採用したフロントマスクも備え、かなり個性的なSUVに仕上げられました。

 また三菱のフラッグシップモデルとなるため上質なインテリアを備えていることも特徴的。運転席、助手席に加え後席まで独立した温度設定が可能な3ソーン式エアコンを装備するなど快適性も重視されました。

 現行モデルは先代のPHEV仕様にはなかった3列シート7名乗りもラインアップ。250mmのスライド量を誇る後席など室内の使い勝手は大きく向上しています。

 SUVに求められる広いラゲッジルームも当然備えています。3列目シート利用時は280Lとそこまで大きくないラゲッジですが、3列目シートを倒すと広大なスペースが登場。最大646Lの容量を備えたスペースが現れます。

エクリプス クロス

価格:254万2100円〜465万800円

サイズ:全長4545mm×全幅1805mm×全高1685mm、ホイールベース2670mm

乗車定員:5名

 2018年に国内販売が開始されたエクリプス クロス。エクリプスといえば1989年から販売されていたクーペを連想する方もいるでしょうが、エクリプス クロスはクーペスタイルのクロスオーバーSUV。デビューから現在までさまざまな改良が施され販売が続けられています。

 デビュー時は最高出力150馬力を発揮する1.5リッター直4直噴ターボのみが用意されたパワーユニットですが、2019年にクリーンディーゼルエンジンを追加。さらに2020年にはプラグインハイブリッドユニットを搭載したPHEVが登場し、ディーゼルエンジンは廃止されました。

 PHEVのユニットは先代アウトランダーPHEVと同じものを使用。2.4リッターエンジンに組み合わされるモーターはフロントが82馬力、リヤが95馬力の最高出力を発揮して電子制御で前後輪に最適なトルク配分を行います。

 クーペスタイルを採用しているエクリプス クロスですが、室内空間は決して狭くはありません。むしろ後席の足元や膝周りは同クラスのSUVと比べても余裕があります。またラゲッジ容量はガソリン車とPHEVで違いがあり、PEHVは359Lの容量を確保。ガソリン車は405Lとまずますの広さを確保しました。

RVR

価格:214万3900円〜250万3600円

サイズ:全長4365mm×全幅1770〜1810mm×全高1640mm、ホイールベース2670mm

乗車定員:5名

 2005年から2012年まで販売されていた初代アウトランダーのプラットフォームを使用して、2010年に登場した現行RVR。すでにデビューから10年以上経過していますが、改良やマイナーチェンジを繰り返し進化してきました。

 現行型は2017年のマイナーチェンジでフロントグリルに「ダイナミックシールド」が採用されるなど、見た目が一新。2019年にはさらにフロントグリルの形状が改良され、“いまどき”の三菱車に生まれ変わっています。

 パワーユニットはデビュー時から1.8リッター直4エンジンのみがラインアップされるのは変わっていません。アウトランダーやエクリプス クロスに用意されるPHEVは用意されていないのが残念ですが、それらの車種より1〜2世代前の車をベースに開発されているため搭載することは難しいのでしょう。

 RVRのインテリアはデビュー時から大きく変わった外観とは異なり、実用性重視のシンプルなデザインを踏襲。インテリアデザインはやや古さを感じてしまいます。

 ただ、三菱は欧州市場で販売されているRVR(欧州名ASX)の次期モデルを2023年に投入することを発表。国内でも新型RVRが近い将来デビューするのではないかと見られています。

ベトナムモーターショーでコンセプトモデルを発表

XFCコンセプトの概要

 三菱は今年10月にベトナムでコンパクトSUVのコンセプトカー「XFC コンセプト」をワールドプレミアしました。

 同社のデザインフィロソフィー「ロバスト&インジーニアス」(力強さと機能に基づく創意工夫)や「ダイナミックシールド」を取り入れたエクステリアデザインを採用。アウトランダーなどに通じる力強さを備えたフォルムとなっています。

 インテリアは水平基調のインパネに横長のドライバー&センターディスプレイを装備。コンパクトなサイズでありながら広々とした室内空間を確保しました。

 最低地上高を高くとった同車は「ノーマル」「ウェット」「グラベル」「マッド」と4つのドライブモードを設定。三菱車として初採用となる「ウエットモード」は、インドネシアやタイなどスコールによる冠水路でも安心して走行できるモードとなります。

 道路の冠水が日常的に発生するインドネシアで三菱車は高いシェアを誇り、タイでは2011年に発生した大洪水後、同社が販売する最低地上高が高いパジェロスポーツの販売が急激に伸びたことなどASEANをメインターゲットとするモデルにとって、このモードは大きな訴求ポイントとなるでしょう。

現時点ではASEAN地域で2023年投入予定

 三菱はこのコンセプトカーのエッセンスを備えたコンパクトSUVを2023年からASEAN各国で販売することを予定しています。

 ASEAN各国ではアウトランダーをはじめ、日本では販売していないパジェロスポーツやエクスパンダーといったSUVが販売されていますが、コンパクトSUVは現在存在していません。

 世界的に人気のSUVはASEANでも高い人気を誇っていますので、同地域で三菱の人気はさらに高まることは間違いないでしょう。

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