若者のクルマ離れは本当! だが原因は「興味がない」のではなく「所有する余裕がない」だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■「若者のクルマ離れ」が叫ばれるようになって久しい

■なぜこのようなイメージが定着してしまったのか?

■考えられる4つの理由を挙げて解説する

「若者のクルマ離れ」というイメージが定着

 若者のクルマ離れが叫ばれるようになってからどれほど時間が経過したでしょうか。

 もしかしたら当時は若者だったけれど、いまやおじさん・おばさんに片足を突っ込んでいても不思議ではないほど世代交代が進んでいるようにも感じられます。

 ソニー損保が毎年年明けに発表している「新成人のカーライフ意識調査(2022年版)」によると、1,000名の有効回答のうち「若者の車離れとは自分自身のことだと思う」と答えた割合は35.7%にも達します。

 では、なぜこれほど「若者のクルマ離れ」というイメージが定着してしまったのか? その理由を考察してみました。

「欲しいけれどクルマが買えない」という事実

 ソニー損保の調査結果によると、新成人の方がカーライフに必要だと思う手取りの月収額は平均24.0万円。しかし、実際にかけられる金額は1カ月あたり平均15,910円。この結果は2021年から963円増加しているとはいえ、ガソリン代や高速代、駐車場代や保険代などであっという間に消えてしまうか、それこそマイナスになりかねない金額です。さらに、クルマを所有する経済的な余裕がないという割合は61.1%という結果に。

 手取りで月収24万円となると、総支給額が約30万円は必要になってきます。企業や業種にもよりますが、20代前半でこの給与を手にするにはなかなか大変かもしれません。ただ副業を認める企業であれば、本人のアイディアと頑張り次第でカバーできる可能性はありそうですが……。「本当は欲しいけれど買えない」という若い世代の方も少なからずいるのです。

車両価格の上昇

 安全装備等の拡充や原材料の高騰といったさまざまな理由がある以上は仕方ないものの、ひと昔より新車の車両本体価格が上昇していることは紛れもない事実。いま、ホンダN-BOXを新車で購入しようとして、あれこれオプション装備を追加すれば、あっという間にコミコミで200万円オーバーです。

 さらには新車の納期長期化による中古車の店頭価格、そして海外需要の高まりによる旧車・ネオクラシックカーの相場も上昇が続いています。こうなると若い世代の方が「いったい何を買えばいいんだよ!」とブチ切れたくなるのも無理はありません。

 冒頭のソニー損保の調査結果によると、「メーカーにもっと若者向けのクルマを作ってほしい」と答えた割合が40.6%にも達します。この際、所有することに執着せず、諸経費コミコミのサブスクリプションサービスを利用して、手の届く範囲のクルマを探すという手もありそうです。


松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
藤沢武生

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