この記事をまとめると
■比較的手に入れやすいマルチシリンダーの大排気量マシンを紹介
■中古車であれば100万円以下でも手に入る個体が存在する
■近い将来絶滅する可能性もあるので乗るならいまがチャンスとも言われている
V型エンジンの大排気量マシンは高級車の必須条件だった
その昔、高級車は内外装が高級なのはもちろん、なにより豪華なエンジンを積んでいることが高級車の条件だった。
豪華なエンジンというのは、ずばり大排気量のマルチシリンダーで、自然吸気のエンジンのこと。排気量が大きいエンジンはトルクがある。トルクはエンジンの粘る力とも言い換えられ、粘り強いエンジンは、どこからアクセルを踏んでもスムースに力強く加速してくれるので、余裕があり、気持ちいい加速は高級車の大事な価値となる。
また、マルチシリンダーだとクランクシャフトが1回転する間に爆発回数が増えるので、スムースなエンジンになる。そして、自然吸気。NAのエンジンはアクセルを踏んだときのトルクの立ち上がりと、アクセルを戻したときのトルクの下降がじつに自然でしっくりくるのだ。
なので、高級車はV12気筒やV8気筒などの大排気のNAエンジンを積むのが定番だった。しかし、安全性能(クラッシャブルゾーン)や燃費、コストの問題から、近年は気筒数と排気量を減らすダウンサイジングが幅を利かせ、大排気量マルチシリンダーのNAエンジンは絶滅危惧種になりつつある……。
というわけで、いまならまだ間に合う大排気量マルチシリンダーのNAエンジンを積んだクルマをピックアップしてみよう。
レクサス IS500 Fスポーツ
いまもっとも旬なV8エンジンが、レクサスIS500 Fスポーツの2UR-GSE。IS FではおなじみのV8エンジンだが、NAの5リッターV8で、481馬力、最大トルクは535Nmのスペックはなかなかなもの。IS F譲りのアイデンティティでもある「ハの字」の4本出しマフラーが奏でるサウンドも、音量こそ控えめだが、高回転での甲高い音はV8のNAならでは。
粘り強いトルクもあって、スポーツセダンらしさが味わえるエンジン。トヨタは今後、V8エンジンを段階的に廃止していくという噂もあるので、新車で購入できるうちに……。
レクサス RC F
レクサスのラグジュアリークーペで、IS Fが搭載していた5リッターV8の2UR-GSEの改良型を搭載。スペックは477馬力、最大トルク530N・m。
後輪駆動車として駆動力制御システム「TVD」を世界ではじめて採用した(メーカーオプション設定)。中古車でも結構いいプライスがついているので、なかなか手が出ないとは思うが……。
レクサス RC
RCはソアラの流れを汲む2ドアクーペで、RC350にはV型6気筒3.5リッターの2GR-FSEを搭載。かつては多かったV6エンジンもターボやハイブリッドを除けば、稀少になってきた。最高出力は318馬力、最大トルク380Nm。