この記事をまとめると
■クルマの各種安全装備は事故軽減に寄与する
■採用によって安全性は高まるものの、修理代は高くなるケースも
■エアバックや歩行者保護機能のついたボンネットなどがその例
エアバッグの修復にかかる費用は30万円ほど
最近は安全装備が充実していて、死亡事故減少に確実に寄与するなど、喜ばしい限り。ただし、リペアに関しては元に戻すときに精度が要求されるなど、コストがかかるのは盲点と言っていい。バンパーをぶつければ、埋め込まれたセンサーを交換したり、パネル交換するときも衝突ボディの性能を維持するためにメーカー発行の指示書通りに戻す必要がある。
これらはコストがかかると言っても想定内だったり、それほどでもなかったりするが、大モノになると途方にくれることも。その代表格がエアバッグだ。基本的にはエアバッグが開くということは、大きな衝撃が原因なわけで、全損扱いになることが多い。しかし、衝撃の入り方によってはそれほど被害がひどくなくても開いてしまうことがある。つまり、修復すれば元に戻せるのだが、問題は費用で部品代と工賃でだいたい30万円ぐらい。ボディの修復代もプラスされるとなると、けっこうな額になってしまう。
さらに注意したいのが歩行者にぶつかって車体側に倒れ込んできたときに受け止めるアクティブボンネット(マツダ)やポップアップエンジンフード(日産)と呼ばれる装備だ。もちろん仕組みとしては素晴らしいのだが、軽い衝撃でも誤作動することがけっこうある。たとえばネコの飛び出しや、単純に電柱にぶつかったりなど。
車両側の制御としては区別ができないのは当然なので、この点をあれこれ言う気はない。問題は持ち上がってしまったボンネットを元に戻す費用で、こちらも30万円ほど。事故に遭ったのならまだ納得できるが、ただの誤作動でこの金額は痛い。この点を見越して、機構をキャンセルしているオーナーもいるが、センサー自体は無理で、一度感知したら交換になる例もある。この場合は数万円で済むが、いずれにしても誤作動での出費となると痛いのは確か。
ガラスが割れたらカメラも一緒に破損したなど、安全装備が増えるに従ってこの手のトラブルというか出費項目が増えていくのは当然のことだったりする。車両保険のフルカバーなら対応可能とはいえ、等級に影響があるなど、無傷ではないだけに、進化する影には注意したい点が潜んでいると言っていい。