掘り出し物を見つける最後のチャンスかも?
パフォーマンスと買いやすい価格帯のバランスで注目したい2台目の国産スポーツカーは、三菱のランサーエボリューションXだ。ご存じのとおり、1992年から始まったランサーエボリューションの歴史を締めた最終モデルである。
三菱がラリーシーンで鍛え上げた四輪制御システム「S-AWC」を搭載、2リッターターボエンジンと組み合わせたスポーツ4WDマシンの究極形といえる。特徴は、MTのほかにDCTを設定していたことで、中古車相場としてはDCT車のほうが手頃になっている。
それはDCTがトラブルを起こすと100万円以上の修理コストがかかってしまうという話が広まっているためでもあるが、リーズナブルに修理できる専門ショップも存在している。
そうしたショップにつてがあれば、150万円前後で見つけることのできるランサーエボリューションXのDCT車はねらい目のスポーツカーといえる。
続いて注目したいのは、2005年8月にフルモデルチェンジしたマツダの3代目ロードスター、型式でいえば「NC」型といわれるモデルだ。
オープン2シーターでFRという基本コンセプトは初代・2代目ロードスターと共通しているが、NCロードスターは2リッターのエンジンで、ボディも大きく成長した。現行ロードスターがコンパクトになったこともあって歴代でもっとも大きなボディなのがNC型といえる。
そんなNC型ロードスターの中古車価格は、初期モノであれば50万円以下で見つけることができるほど。初代ロードスターがコレクターズアイテムとして価格高騰しているのと比べると、年式なりに適切な相場に落ち着いているといえる。
もちろん、そうした年式で低価格の中古車は、走行距離が10万kmを超える過走行車ではあるが、リフレッシュとチューニングでコンディションを整えていくのが楽しめる人であれば、スポーツドライビングのパートナーとして迎え入れて後悔はないだろう。
過走行でも受け入れられるのであれば、最強コスパの国産スポーツカーといえるのが、スズキ・スイフトスポーツ(スイスポ)だ。
スイスポであれば初期から最新まで、どの世代であっても価格以上の満足度が得られるといえるが、ここで注目したいのは2004年11月にフルモデルチェンジしたスイスポ、型式でいうとZC31で知られているモデルだ。
FFホットハッチの教科書ともいえるスイスポだが、この世代が積んでいるのは1.6リッターのNAエンジン。最高出力こそ125馬力と控えめだが7000rpmまで一気に回っていく様は、いかにも官能的で、このあたり現行のダウンサイジングターボにはない魅力といえる。
ZC31型スイスポは、良コンディションな個体でも、その多くが100万円以下で流通している。一般論としてタマ数が減ってきたタイミングで、魅力の再評価がされると価格が高騰する傾向にある。スイスポについても、そのタイミングが近づいているように思えるので、手に入れるならば、いまが好機といえそうだ。