【試乗】GRカローラはヤリスより速いぞ! モリゾウの魂が込められた「GRカローラ」をサーキットとダートで全開走行した (1/2ページ)

この記事をまとめると

■千葉県の袖ヶ浦FRWにてGRカローラを試乗

■GRヤリスの兄貴分としてエンジンやスタビリティがより高められている

■オフロードでは大柄なボディが影響してGRヤリスより落ち着いた挙動で走ることができる

話題のGRカローラをサーキットで試乗する機会がやってきた

 GRヤリスに続いて、オンとオフで走りを楽しめるGRカローラが登場した。そのプロトタイプを袖ヶ浦FRW(サーキット)でテストドライブしたのだが、ラリーバージョンも用意されているので、グラベルコースもドライブできた。さっそくインプレッションするが、その前にトヨタにとってカローラの位置づけから話しを進めたい。

■エピローグ

 雑誌CARトップでもすでにリポートしているが、私が本格的にラリーに没頭できたのは、1970年代に乗っていたTE27カローラレビンとの出会いだった。免許を取ったときは箱スカに魅了され、富士スピードウェイのレースを見て刺激を受けた。ラリーは三菱ランサーから本格的に始めたが、TE27カローラレビンに乗り替え、運にも恵まれ志賀高原ラリーというビッグイベントに優勝してしまった。無名の私は、ノンシードの後ろのゼッケン。お金もなかったので、中古のスパイクタイヤを履くが、雪ならチェーンでもつける覚悟でのぞんだ。だが、幸運にも暖冬でコースは殆どドライだった。シード選手は雪を想定したフルスパイク。私はドライのラリータイヤに毛が生えた程度のナンチャッテスパイク。しかし、路面状況は私に有利だった。

 1.6リッターの自然吸気エンジンの心地よいエキゾーストサウンドを聞きながら、フルスロットルで志賀高原の山路を駆け抜けた。まさか、勝てるとは思っていなかったが、SS(速さを競うスペシャルステージ)ではトップタイムをマークし、結果は総合優勝。そのとき、ラリーの専門誌に書かれたヘッドラインは「舗装の貴公子」だった。

■トヨタにとってカローラの意味

 クルマ好きはホットなGRカローラに目が釘付けになるが、トヨタにとってカローラがどのように位置づけられているのか、知っておく必要がある。トヨタにとってクラウンとカローラは決して絶滅させてはいけないモデルである。クラウンはすでに新型が発表され、まるで蛹(さなぎ)から蝶に変身する完全変態を果たした。

 この変態は旧モデルの販売が瀕死の状態だったので、大きな変化を遂げることができたが、カローラはそうはいかない。先日新型プリウスが発表されたが、コンセプトを180度も変更し、海外ではタクシーとしても人気があったエコカーの代名詞が、スポーツハッチに大変身した。しかし、プリウスはクラウンのように販売が不調だったわけではない。実用車からスポーツハッチに変わったことで、新規ユーザーを獲得できるかもしれないが、失うユーザーもいると思った。そのあたりの話しを関係者に聞くと、じつはカローラの存在があったのだ。

 海外ではプリウスが担ってきた需要はカローラが受け皿となり、プリウスはよりスペシャリティカーに差別化したのである。カローラはホットなGRモデルから、質実剛健な実用車まで、幅広い役割を演じることになる。パワートレインやシャシーは多様化し、さまざまなニーズに応えることが可能となった。


新着情報