この記事をまとめると
■昔のタクシーは専用装備といえば料金メーターと無線ぐらいだった
■現代のタクシーは自動配車システムというものが搭載されている
■そのほかクレジットカード決済機やデジタルタコグラフなど、専用装備の宝庫だ
タクシーにしか装備されていないアイテムの数々
大昔のタクシーといえば、料金メーターと無線が装着されていたぐらいだと記憶している。大昔のタクシーメーターは、外から見える位置にある赤字に白文字で“空車”と書かれたレバーを、お客を乗せるときに倒すと“実車”としてメーター加算が開始される。そして、お客が降車するとそのレバーを上げて戻す。いまでもタクシー業界では、その名残りで“メーターをあげる”と表現する業界関係者も多い。
日本ではその後のタクシーメーターの進化でボタン操作になってしまったが、中国ではいまでもレバーの上げ下げという“所作”が残っている車両もある。大昔の日本のタクシーメーターを覚えている筆者としては情緒があって、中国へ行くと楽しみにする光景である。
しかし、だからといって中国のタクシーメーターが遅れているというわけではない。いまではひとつのディスプレイで運賃表示も含め多彩な情報表示をフォローすることになっており、日本では紙ベースの乗務員証もデジタル化されディスプレイに表示されるようになっている(タイでもデジタル乗務証を見た)ので、ある意味日本より進んでいるかもしれない 。
実車開始時に実車ボタンの押し忘れというものは、新人だけでなくベテランでも起こすミスの代表といってもいいだろう。乗務員さんを気遣い、よく使うルートなら相場もわかるからと、メーター表示以上の運賃(忘れたと気が付いてからメーター入れるので当然いつもより運賃は安い)を払う必要はない。乗務員の多くもそれは要求してこないはずである(もちろんしてはいけない)。
プロドライバーの判断で、目的地近くで運賃がさらに加算されそうなので、少し早めにメーターを上げる乗務員も多いが、これも厳密にはメーターの不正利用となり、乗務員に対するペナルティの対象になるのである。ちなみにタクシーメーターを製造するメーカーは複数存在している。
無線機は地域や事業者で異なるものの、装備されている車両がある。いまも続けている事業者もあるが、過去には例えば電話でタクシーの配車要請を受けると、無線担当者が各車両に空車かどうかを確認し、空車で配車要請先へ迎えに行けると返事のあった車両に迎え先を無線を通じて口頭で伝えていた。
しかし、いまは自動配車システムというものになっており、筆者が良く利用する地元のある事業者では、まず過去に利用があると、電話番号と過去の迎え先がデータとして蓄積され、それ以降は電話するとともに無線配車担当者の前にあるディスプレイの地図画面に自動的に位置が表示される。さらに周辺に空車車両が確認できれば、その車両に迎えに行く指示を画面上で操作し、車両にカーナビが装備されていれば、そこまでのルートが自動的に表示され、カーナビがなければ、音声と文字だけで乗務員を誘導するシステムになっている。
さらに、無線オペレーターを介さない完全自動配車システムや、無線配車センター自体を介さないアプリ配車サービスなどを採用する事業者もある。