出たぞ新型セレナ! ノア&ヴォクシーとステップワゴンと「どれが買い」か徹底ライバル比較した (2/2ページ)

装備も仕様も走りも異なる3台だから優先順位をつけて検討を

 先進運転支援機能はそれぞれ充実。新型セレナはプロパイロット1.0を標準化。さらに最上級のLUXION(ルキシオン)グレードには、なんとプロパイロット2.0を装備。全車速域でのハンズオフドライブを可能にした最新版を搭載しているのだ!

 ノア&ヴォクシーもまたすごい。トヨタセーフティセンスを全グレードに標準装備するほか、トヨタ最新の先進機能であるトヨタチームメイトを用意。リモート駐車のアドバンストパーク、渋滞時のハンズオフドライブを可能にするアドバンスト ドライブがそれである。

 さらに、全車標準装備として、トヨタブランド初のプロアクティブドライビングアシストを装備。リスクの先読みを行い、横断歩行者、自転車運転車への減速支援のほか、先行車に対する減速支援、カーブ手前減速支援などを、ACCを作動させなくても(つまり一般道でもOK)行ってくれるのだから、実用先進性としては群を抜いている印象だ。そしてコネクテッド機能もまた、充実している。

 細かい実用装備で光るのも、ノア&ヴォクシーだ。3列目席は片手のワンタッチ操作で跳ね上げ、固定までOK。バックドアはパワーバックドア、非パワーバックドアのどちらでも、任意の位置で止められ、車体後方にスペースのない場所でのバックドアの開閉を容易にしてくれるのだ。ステップワゴンはパワーバックドアを選択しないとそれができない。

 新型セレナは先代からのデュアルバックドアを採用し、車体後方にスペースのない場所での荷物の出し入れに対応している。

 また、ノア&ヴォクシーはスライドドアからの乗降性をさらに良くするユニバーサルステップにも注目だ。ステップワゴンの場合、補助ステップは電動オートゆえに21万7800円。しかしノア&ヴォクシーのユニバーサルステップは”からくり”のアナログ式、スライドドア連動タイプでなんと3万3000円なのである。

 また、アウトドアや車中泊、そして災害時に威力を発揮してくれるAC100V/1500Wコンセントは、ノア&ヴォクシーのハイブリッド車、新型セレナだけの特権装備(グレードにより標準、またはオプション)。

 現行ステップワゴンには、設定がない(先代にはオプションであったのだが、装着件数が少なかったため、廃止に……泣)。ミニバンをアウトドアで使う場面が多くなった時代ゆえに、ステップワゴンのe:HEVモデルに関しては残念すぎるのだ。早期に再設定してもらいたい。

 最後に走行性能について軽く触れると(新型セレナはテストコースのみの試乗ゆえ)、車内の静かさでは100%電動駆動の新型セレナe-POWERモデルが優れる。発電のためにエンジンが始動しても、巡航状態なら静かなままだ。

 そしてステップワゴンはボックス型ミニバンのウィークポイントと言えるこもり音を解消しているのが好ましい。

 その点、ノア&ヴォクシーはハイブリッド車でもエンジンが始動すると途端に騒々しくなるのが難点である(3列目席は路面によってロードノイズが盛大)。

 というわけで、プラットフォーム、パッケージングこそ先代からキャリーオーバーした新型セレナだが、電動感の強さ(e-POWERは100%電動駆動だから当然だが)、車中泊対応性を含むファミリーミニバンとしての完成度はなかなかのもの。あとは価格や燃費性能、自身に必要な装備類などをじっくり比較し、1-3列目席のシートのかけ心地をしっかりと確認したうえで試乗し、自身に、ファミリーにぴったりの1台を選んでほしい。

 なお、余計なお世話かも知れないが、ステップワゴンはe:HEVモデル、FF車に限る……。理由はこちらの試乗記事を参照していただきたい。

【試乗】新型ステップワゴンのガソリン車を買うなら「FF」推し! 室内は1〜3列すべて極上だった


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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