運賃箱も進化を遂げている
また展示のみとなり、しかも左ハンドル仕様になるものの、トルコ製となる小型BEVバスも出品されていた。BMWからモーターと電池の供給を受けている。現状コミュニティバスとしてよく走っている、某日系メーカーの小型路線バスよりさらに小さいボディながら、車内空間はそのバス並みかそれ以上で、しかもBEVということもあり、正式に輸入されるようになればコミュニティバスとしての導入に興味を示す事業者などからの問い合わせも多いとのことだ。
会場には日系バスメーカーも出展していたのだが、イベントで受けた印象としては、BEVバスの国内普及はやはり“海外メーカー頼み”になってしまうのかなあというものであった。
いわゆる運賃箱(運賃収受器)メーカーは、QRコード決済や一部のタッチだけで決済できるクレジットカード対応など、キャッシュレス決済において多機能化が進んだものや、キャッシュレス決済に特化したものなど、見た目も含めて今までの運賃箱とは概念のまったく異なる用品を展示。キャッシュレス専用収受器を展示していたメーカーでは、「このタイプは、弊社の海外子会社で開発されたものとなります」という話を聞き、やはり海外ではキャッシュレス化が進んでいるのだなあと感じた。
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別の運賃箱を出品していたメーカーに、「日本での運賃箱の完全キャッシュレス化は時期尚早なのですか?」と聞くと、「今後は運賃箱をご利用される事業者様の判断次第になるでしょうね。路線によって状況は異なりますので。キャッシュレス化は路線ごとに進んでいくのではないでしょうか」とのこと。日本では弱者救済というものが優先される。そして一般路線バスでは、高齢者の利用が多く、しかも運賃も数百円単位なのでフルキャッシュレス化はまだまだかもしれない、一方で運賃が高額となる高速路線バスでは、現状は現金収受も残すものの、キャッシュレス決済など多機能化が進んでいる。
また昨今の、保育園や幼稚園での送迎バス内に園児が置き去りとなり、熱中症で死亡するという痛ましい事件を受け、園児送迎バスだけでなく乗客の置き去りの多発に頭を悩ます路線バス事業者などに向け、車内置き去りを防止するツールを展示する出展メーカーも目立っていた。