新型プリウスが鉄腕アトムの聖地「高田馬場」にて世界初公開! 2リッター&1.8リッターハイブリッドとPHVで展開 (2/2ページ)

目指したのは「愛車として愛せる1台」

 トヨタも電気自動車(BEV)を商品ポートフォリオにおいて重視しているのは言わずもがなだからだ。しかし、だからこそプリウスがラインアップに必要であり、BEVに比べて圧倒的に手頃な価格で、CO2排出量を削減できるソリューションとしても欠かせない存在だという。

 あらためて発表会で語られた、新型プリウスの開発キーワードは、コモディティとラブだったという。コモディティというのは道具として徹底的に機能を高めることであり、豊田章男社長からは次期プリウスはタクシー専用車として開発したらどうか、というある種振り切った提案もあったという。

 しかし、プリウスの開発陣はコモディティよりもラブを選んだ。妥協のないハイブリッドカーを作ることで、愛されるクルマを生み出そうというわけだ。

 そのため、新型プリウスは燃費スペシャルなクルマではなくなった。

 基本となるプラットフォームは従来モデルをブラッシュアップした第二世代。足もとは19インチもしくは17インチタイヤとなり、フロントの足まわりはサブフレームの構造やボディを見直すことで剛性アップをはかつている。

 ワクワクを感じる走りの原動力はパフォーマンスアップしたハイブリッドシステムにもある。

 プラグインハイブリッドのシステム最高出力は164kW(223馬力)、2リッターハイブリッドは144kW(193馬力)、1.8リッターハイブリッドは103kW(140馬力)となっている。空気抵抗係数の発表はないが、明らかに低重心かつ低抵抗な車体で、これほどの最高出力があれば、スポーツドライビングを楽しめる相棒としてふさわしいことは確実だ。

 さらに空力を操縦安定性に利用する思想を盛り込んでいる。直進性だけでなく、接地性も高めるボディとすることで、ハンドリングにも貢献する空力ボディとなっているということだ。

 インテリアは、新世代トヨタに共通する「アイランドアーキテクチャ」に基づいたデザイン。電気自動車のbZ4Xと共通の7インチフルデジタルメーターや、上級グレードに採用される12.3インチディスプレイオーディオが機能的なデジタル世代のクルマであることを感じさせる。

 とはいえ、プリウスにスポーティな愛車としての価値を求めるユーザーばかりではないだろう。コモディティが勝つか、愛車を求めるマインドが勝つか。はたして未来は、どちらに転ぶのだろうか。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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