やりたいことはわかるが、あまり便利には感じられない
3つ目は、こちらもサイドミラーの機能ですが、車庫入れなどの際に地面の白線が見やすいように、シフトレバーを「R」ギヤに入れると連動して左側のサイドミラーの角度が自動で下を向き、地面を映すようになる機能があります。これも、白線ではないガードレールや壁、ポールといった高めの位置にあるものを目印に車庫入れする時には、まったくのありがた迷惑。単純に、道路をバックしたいだけの時にも、地面を映されてしまうと道幅や道路形状が把握しにくいので、とても不便なんですよね。
これもほとんどのクルマで好みの設定に変えられるようになっていますが、他人のクルマを運転した時などに、設定を変えるのも申し訳ないし、やり方もよくわからないし、ということで困ってしまう機能です。
4つ目は、あると便利だと支持する派と、まったく使わない派で二分しているオートブレーキホールドという自動化機能。最近では軽自動車にも設定されるようになってきましたが、この機能をオンにしておけば、信号待ちなどでブレーキペダルを踏み続けていなくても、自動的に次の発進時まで停止を保持してくれるという機能です。アクセルペダルを踏むことで停止保持が解除され、再発進できるようになっています。
この機能が登場するまでは、赤信号で停止するたびにシフトレバーを「P」に入れてブレーキペダルから足を離して休んでいた、という人にはその手間がなくなり、便利でありがたい自動化機能。ですが、信号待ちの間も普通にブレーキペダルを踏み続けることが習慣化されており、別にそれが大変ともイヤだとも思わない、という人にとっては「大きなお世話」な機能と感じることも多いようです。
アイドリングストップと違って、この機能によってエンジンが停止する訳ではないですが、クルマによっては再発進のためにアクセルペダルを踏んでから、反応があって加速しはじめるまでに一瞬の遅れがあったりするので、敏感な人は煩わしさを感じるかもしれません。
ただ、便利なシーンとしては、駐車場の入り口で駐車券を取る際に、近くに寄せられずブレーキペダルを踏んだままだと手が届かない、なんて時に足を離しても停止保持してくれるため、遠くまで手が伸ばせるということがあります。多くのクルマは、シフトレバーの周辺などにオートブレーキホールドのスイッチがあり、簡単にオンオフが変えられるので、好みに合わせて使うといいですね。
5つ目は、多くのクルマに採用されるようになってきたものの、まだ今ひとつ完璧なものが少ない印象のオートワイパー。名前のとおり、雨を感知するとその量に応じて自動的にワイパーが作動して、クリアな視界を保ってくれるという自動化機能で、雨滴感知・雨量感知式などと言われ、速度と連動しているものもあります。
でもこれまで多くのオートワイパー付き車両に乗って試しましたが、あまりドライバーの感覚に合うような拭き上げをこなしてくれる理想的なオートワイパーには出会えていません。
皆さんも感じたことがあると思いますが、雨というのはじつにさまざまな降り方をするもので、同じ小雨くらいの量でもあまりフロントガラスが濡れないときや、すぐにしっとりと濡れてくる時など、状況はさまざま。あまり濡れない小雨の時に、ワイパーが張り切ってガシガシと動いてしまうと、ドライバーとしてはなんだか気になって、集中力を削がれたり、だんだんイライラしてきたりするものです。
信号待ちで停止すると、連動してワイパーも休止するものもあるのですが、雨で前が見えなくなっても作動しないときにはしびれを切らして自分で操作してしまったり。ワイパーには雨の状態に合わせて、「今でしょ」という時にしっかり拭き上げて欲しいですよね。これは、雨滴感知をどこでしているかというセンサーの問題だったり、速度や風向きなどさまざまな問題がからみあってくるため、ドライバーの意志にピタリと合うオートワイパーはなかなか難しいようです。
ただ、車庫入れした際に自動でワイパーも停止してくれる機能は、フロントガラスの真ん中にワイパーがきたまま止まってしまうようなミスがなくなるので、ついているとありがたいですね。
ということで、どんどん自動化されているクルマの機能。ありがた迷惑なこともあるとは思いつつ、次はどんなものが出てくるのか楽しみでもあります。うまく使いこなして、少しでも運転中のストレスをなくしましょう。