地方の道路は真っ暗なのにもともと明るい都市部は街灯だらけ! クルマにとって明るいエリアこそ「街灯」が重要な理由 (2/2ページ)

暗い道を走行する際はハイビームにするのが基本

 一般道でも、郊外へ行くと照明がなく、高速道路以上に不安な気持ちにさせられることがある。ルームミラーで後ろを見たときなど、後続車がなければ真っ暗で、前後とも周囲の様子も確認できない。

 いずれにしても、郊外では高速道路も一般道も街灯が設置されていない場合が多い。理由として考えられるのは、クルマのヘッドライトは基本的にハイビームを使うことになっているからだろう。対向車の運転者を幻惑させないため、都市部ではロービームで走るのが基本だが、クルマのライトの基本はハイビームなのだ。したがって、高速道路や一般道の郊外でも、ハイビームを点灯して運転すればかなり照射範囲は広く、また遠くまで視界が届き、走行速度に適した前方確認ができるだろう。

 もちろん、対向車がある場合はロービームへ切り替える。そのとたん、周囲の様子が部分的にしか認識できず、不安な気持ちになる。

 そこで近年のクルマに採用されているのが、LEDを活用した照明範囲を切り分ける機構だ。これを装備することで、前を走るクルマや対向車の部分はロービームとし、それ以外はハイビームのまま周囲の様子を認識できるようになる。

 クルマの歴史を振り返れば、当初はクルマの台数も少なく、もちろん街灯もなく、ヘッドライトはハイビームであることが前提であったはずだ。しかし、クルマが増え、人口も増え、市街地が増え、そこに街灯が設置されるようになり、ロービームで走ることが常識的になっていった。それは、クルマ社会が繁栄したひとつの証ともいえるだろう。

 とはいえ、街灯の無い区間では、動物などの飛び出しの可能性もあり、ライトで認識できる前方視界のなかで、安全に走行できる速度で運転する意識を持つことも大切だ。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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