2代目が登場してもなお人気! ダイハツ・初代コペンの魅力に迫る (2/2ページ)

運転の楽しさと機能性を両立した軽スポーツカー

操る楽しさを実現したエンジン&ボディ

 初代コペンのプラットフォームはミラ(6代目)をベースに前後サスペンション、ブレーキなど走行性能向上に必要なパーツはほぼすべてが改良されて装備されました。

 具体的にはブレーキの大径化、フロントサスのロアアームやスタビライザーのチューニングを変更、リヤサスのセッティングを見直すことなどですがこれらの改良によりミラをベースとしながらも機敏なハンドリングを実現するなど、軽スポーツカーとしてクルマを操る楽しさを備えていたのです。

 またオープンカーとしてボディの強化も当然のように行われました。

 アンダーフロアには補強材がこれでもかというほど張り巡らされ、ボディ後部やリヤサス取付部にも剛性を高めるためのパーツが装着されています。

 初代コペンに搭載されていたパワーユニットはJB-DET型660ccターボ付き直4エンジン。

 最高出力64馬力を発揮するこのエンジンは、その当時、販売されていた2&3代目ムーヴなどに搭載されていましたが、シャシー同様、コペンに搭載するにあたり大きく手が加えられました。

 ターボチャージャーのタービン(のブレード)やコンプレッサーを専用設計とし、排気マニホールドなどデュアルフロー方式にするなどの改良を施したことで低中回転域でのトルクが向上。アクセルレスポンス速度が大幅に増しています。

内装や装備、ユーティリティ

 エクステリアデザインにはティアドロップスタイルを採用した初代コペンは、幅広いユーザーに親しみを持たれることを目的にしていましたが、インテリアも万人受けを大きなテーマとしていました。

 メーターパネルはスポーツカーらしい3連バイザーを採用したものの、ダッシュボードなどのオーソドックスなデザインでまとめられましたが、素材は軽自動車の粋を超えた上質なものを採用。組み付け精度にもこだわりパネルのチリ合わせも軽自動車の水準を大きく超えていました。

 また運転席に座ると「地面との高さが変わらないじゃん!」と思うほど低い着座位置に驚くユーザーも多かったといわれています。初代コペンのヒップポイント地上高はなんと410mm。現行タントが700mmですから、その低さがイメージできるでしょう。

 また初代コペンにはオープンカーには必須な風対策や防犯対策に効果的な装備も施されています。

 風の巻き込みを防止するウインドディフレクターやウインドバイザーを標準装備。

 グローブボックスやコンソールボックスはキー付きで、エンジンフードオープナーはグローブボックス内、フューエルリッドオープナーはグローブボックス内に配置されていました。

 その他、初代コペンの特徴としてトランクルームが広いことが挙げられます。

 アクティブトップのルーフを閉めた状態だと9.5インチのゴルフバッグを積載することも可能でした。ただし当然ですがルーフを開けた状態ではハードトップルーフが収納されるためトランクに荷物を積むスペースはほぼなくなります。

初代コペン進化の歩み

 2002年にデビューした初代コペン。生産が中止された2012年まで改良やマイナーチェンジが実施され、次々と特別仕様車が発売されていきました。

 2003年7月にカラーオーダーシートが選択可能となるメーカーオプションを設定。同時に発売1周年を記念した特別仕様車「ファースト・アニバーサリーエディション」を発売。

 2004年6月には発売2周年を記念した特別仕様車「セカンド・アニバーサリーエディション」が発売。シートヒーター付きレカロシートが施されていました。

 2006年6月にはアルカンタラ生地のレカロシートなどを装備した特別仕様車「アルティメット・エディション」を発売。

 2007年9月には「アルティメット・エディションⅡ」が発売され、「アルティメット・エディション」の装備を受け継ぎつつ、ブラックメッキフロントグリルなど多くの装備が追加されています。

 2008年12月には脱着式オープニングカバーを標準装備とするなどの一部改良を実施。

 2009年9月には「アルティメット・エディションⅡ」をベースに装備を変更した特別仕様車、「アルティメット・レザーエディション」が発売されました。

 2010年8月にはプロジェクター式ディスチャージヘッドランプ、シートヒートなどを標準装備とする一部改良を実施。同時に特別仕様車「アルティメット・エディションS」を設定しています。

 すでに8月末で生産終了ことがアナウンスされていた2012年4月には特別仕様車、「10thアニバーサリー・エディション」を発売。このモデルが初代コペン最後の特別仕様車となりました。

初代コペンの中古相場

 ちょっと古い国産スポーツカーの価格が高騰する状態が続いていますが、初代コペンもその流れを受け中古相場は高めで推移しています。

 執筆時の中古相場は25〜250万円。価格が安いモデルは15〜20万kmほど走行している車両が大半で、200万円を超える価格がつく車両は2012年に最後の特別仕様車として発売された「10thアニバーサリー・エディション」も少ないですが存在します。

 現行モデルがラインアップされていますが、初代コペンとのファンとは異なっていることもあり、中古車価格は今後も高値で推移していくことが予想されます。

まとめ

 スーパーハイトワゴン全盛のなか、いまだに人気が高い初代コペン。人気の理由はいくつもありますが、とくに今見ても新鮮で古さを感じないエクステリアデザインは魅力だと感じます。

 この先、10年、20年経ってもこのデザインの魅力は衰えることがないと思われるため、初代コペンの人気はこの先も続いていくことでしょう。


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