近年も来場者に衝撃を与えたクルマは少なくない
1989年には会場を幕張メッセへと移動。その第28回東京モーターショーでの最大の話題と言えたのが、マツダが今も作り続け、世界中に熱烈ファンを持つことになった初代ロードスター(ユーノスロードスター)。今でも日本を代表するライトウェイトオープンスポーツであり、その原点が1989年の東京モーターショーだったのである。
そしてこの年には、ホンダの初代NSXも登場。バブル期ということもあり、高額なスポーツカーであっても予約殺到。今に至っては、とんでもないプレミア付きの国産スポーツカーとなっている。そして国産セダンとして世界を驚愕させた初代トヨタ・セルシオ、R32型日産GT-R、初代日産シーマ、スバル・アルシオーネSVXといった日本の自動車史に燦然と残る名車もこの年の東京モーターショーの華であった。
と、東京モーターショーの昔を振り返ってきたが、近年でも衝撃のデビューを果たしたクルマは少なくない。まずは2007年に開催された第40回東京モーターショーで量産車が発表されたR35型日産GT-Rだ。スカイラインと決別した新時代のGT-Rでもあり、「新次元マルチパフォーマンススーパーカー」と呼ばれていた。会場の大きな目玉として、大注目されたことは言うまでもない。
2009年、第41回東京モーターショーの目玉の1台が、トヨタの豊田章男社長自らが発表に立ち会ったレクサスLFAだ。国産スーパースポーツとして、ルックス、機能、走りともに一流。老若男女問わずその姿、パフォーマンスに圧倒されたと言っていい。
さて、2021年の第47回東京モーターショーは残念ながらコロナ禍ということで開催中止になったが、2023年の東京モーターショーでは、多くの出展車が我々クルマファンにどんな衝撃を与えてくれるのだろうか。BEVが中心になることは必至だが、2030年、2035年といった大きな節目に向けた、時代の大変革期を迎えているクルマの時代の先端の姿、技術、そして想像を超えた未来像を惜しみなく見せ、披露してくれることは間違いないだろう。