2023年後半からいよいよ生産が開始される
観音開きのドアを採用しているために、リヤドアの存在は案外と気づきにくい。ボディサイズは全長×全幅×全高で4973×2028×1589mm。ホイールベースは3018mmに設定されているから、キャビンの居住空間には左右に独立したリヤシートまわりでも十分な空間の余裕を感じる。
このリヤシートは電動でリクライニングが可能であるほか、逆に前方に向けて収納すれば、リヤのラゲッジスペースを通常時の473リッターからさらに大きく拡大することができる。
フロントミッドシップされるエンジンは、その始祖をたどれば、エンツォ・フェラーリ用のそれに至ることが可能な、6.5リッターのV型12気筒自然吸気。最高出力は725馬力、最大トルクは716Nmを誇り、これに8速F1DCTを組み合わせる。ちなみにそれはデファレンシャルとともにリヤにレイアウトされ、いわゆるトランスアクスル方式を形成。
2033kgとされる乾燥重量の前後重量配分は49:51と理想的な数字が実現されている。駆動方式はかつてFFで実現されたエンジンから直接前輪に送るトルクを出力する、4RMをさらに進化させた4RM-S evoによる4WDとなる。
ビークルダイナミクスに関しても、フェラーリはプロサングエに最新のシステムを与えてきた。独立式の4輪操舵や6w-CDS(6ウェイ・シャシー・ダイナミック・センサー)を活用するABS evoや、新タイプのアクティブ・サスペンションなどがそれだ。これらによってプロサングエは、これまでのスーパースポーツと変わらぬハンドリング性能を得ることを実現しているという。タイヤはフロントが22インチ径、リヤには23インチ径が設定される。
シャシーももちろんプロサングエのための専用設計だ。ルーフにカーボン素材を用い、軽量化と低重心化を達成。実際にフェラーリが発表したテストデータを見ても、まず注目の最高速は310km/h以上。0-100km/h加速も3.3秒と、そのスタイルからは想像できないほどの高性能を誇る。
プロサングエの生産は、2023年の後半から開始される予定で、フェラーリはその生産比率を最終的には全生産台数の約20%に抑えたいという計画を持っているという。
参考までにその日本市場での価格は4760万円から。すでに日本のみならず世界中で、そのオーダーリストには長いカスタマーの名前が連なっていることだろう。
パストレッリ社長が語ったとおり、このプロサングエはあらゆる意味で、ゲームチェンジャーとなる可能性が濃厚な一台といえる。