この記事をまとめると
■危険な運転をする自転車が目立つ
■なかには自転車を使った「当たり屋」も存在
■クルマを運転する際に気をつけるべきことを解説する
もっとも注意すべきは「信号無視」と「指定場所一時不停止」
「自転車に乗っているとクルマは邪魔だと思い、クルマを運転していると自転車は危ないと思う」というCMが流れてきて、思わずウンウンと頷いてしまった人も多いと思います。
交通社会では自転車のほうが弱者に当たるので、もちろん事故となればクルマの運転手の方が過失は重くなる可能性が高いわけですが、なかにはやはり「そりゃないだろ!」と目を疑うような、危険かつ悪質な運転をする自転車に出会うこともあるものです。そんなひどい自転車と運悪く遭遇して事故になり、こちらが悪者になるなんて絶対に避けたいところ。今回は、実際に目撃した自転車の危険運転をもとに、クルマのドライバーはどんなところに注意したら良いかを考えます。
2020年6月に施行された改正道路交通法では、それまでの14類型に新たに「妨害運転(交通の危険のおそれ・著しい交通の危険)」が追加され15類型となった自転車運転時の危険行為が定められ、これに当てはまる行為を3年以内に2回以上繰り返した場合は、「自転車運転者講習」を受けなければなりません。
この15類型のなかでクルマのドライバーがもっとも危惧し、用心しなければならないのがやはり「信号無視」と「指定場所一時不停止」です。クルマが赤信号で止まっても、そのすぐ脇をすり抜けて平気で赤信号を無視して直進走行していく自転車の多いこと! 見通しの悪い交差点では、青信号になって発進してきた歩行者やクルマとあわや接触しそうになっている危険な自転車を目撃することもしょっちゅう。また、住宅街の道などでこちらが優先道路なのに、脇道から一時停止を無視していきなり目の前に飛び出してくる自転車には肝を冷やしますよね。
そうした危険走行をする自転車をよく観察していると、それがおそらく確信犯である場合も多いと感じます。赤信号や一時停止の標識をうっかり見落としているのではなく、「飛び出してもクルマはブレーキを踏むはず」という愚かな自信と、「もし接触しても悪いのはクルマになる」という浅はかな知識から、「いいや、行っちゃえ」と突っ走っているのです。
じつは一部の警察官は隠語として「チャリテロ」と呼んでいるという、自転車を使った悪質な「当たり屋」もなかにはいるのだとか。これは交通事故の責任が弱者保護に基づいていることを逆手に取った暴挙で、目的は保険金です。というのも、たとえば同じ道幅の交差点で、自転車とクルマが出合頭に衝突した場合には、過失割合は自転車2:クルマ8程度となるのが相場。そのため、うまくクルマに過失があるように見せかけることができれば、得をすることもあるということです。
ただ、自転車が一時停止の標識を無視して飛び出してきた、といった状況が加わると、過失割合は自転車4:クルマ6程度まで修正されることも多いとのこと。「自転車だからって、調子に乗るなよ!」と言いたいところですが、それでもクルマの過失割合が大きいことには変わらないので、こうした事故は絶対に避けたいですし、もし起こってしまっても自転車側の悪意がまかり通るようなことにはしたくないものです。