ドライバーが新品タイヤに慣れることも重要
その方法だが、多くのタイヤメーカーでは80km/h以下で100km程度の走行とされている。つまり、タイヤを交換した直後は、いきなり高速道路を走ったりせず、市街地走行をするようにしたい。
当然ながら、慣らし運転の際はタイヤが大きく変形するような走らせ方は避けたい。急ハンドル・急ブレーキといった操作はNGといえる。もっとも、必要以上に気を遣う必要はなく、基本的にはおとなしく100kmほどの距離を走ればいいだろう。
また、タイヤがホイールに馴染んでいくときに空気圧が下がってしまうこともある。新品タイヤの慣らし運転をしているときは、こまめに空気圧を確認して規定値をキープするようにしたい。
さて、タイヤの慣らし運転が必要な理由として、タイヤ自体のコンディションを整えるため、ホイールとの一体感を高めるためというふたつの理由を記してきたが、もうひとつドライバーが新品タイヤに慣れるためというのも大事な理由だ。
サマータイヤが減ってきたので、新しいサマータイヤに変えたとき、表面のワックスが取れてくると基本的には交換前よりグリップが高くなる。こうしたケースでは性能が上がるわけだから危険なことは起きづらいが、サマータイヤからスタッドレスタイヤに換えた直後は、舗装路でのグリップ性能が落ちていることが多く、同じ感覚で走ると思ったように止まらない・曲がらないなんてこともあり得る。
新しいタイヤにドライバーがアジャストするためにも「慣らし運転」を活用したい。
なお、タイヤの慣らし走行というと新品タイヤに入れ替えたときに意識しがちだが、じつは新車を購入した際にもタイヤは新品状態である。クルマの慣らしと同時に、タイヤの慣らしも意識しておくといいだろう。