歴代レースカーによるラグナセカ名物コークスクリュー下り
同じル・マン24時間レースに出場したモデルのなかでも、実際にレースを行う、ル・マン・プロトタイプ・クラスにエントリーしたモデル達の繰り広げたバトルは相当な迫力を感じさせるものだった。ここでもっとも目立った存在だったのは、当時もその速さは無敵とも例えられたポルシェ962/962C。1980年代のグループCカーがいかに魅力的な存在だったのかが、改めて思い知らされた次第だ。
このクラスのエントリーにはほかに、1986年のスパイスGTPや1996年のマクラーレンF1 GTR、1999年のマツダ787、同年のBMW V12 LMR、2005年のアウディR8 LMP、2007年のサリーンS7Rなどがあり、ル・マン24時間の100周年を記念する場は、やはりサーキットがもっとも絵になることを証明してみせたのだった。
別に用意された、1923年から1955年までのル・マン24時間出場車によるクラスも、じつに盛況だった。さらに主催者は、1956年から1971年までの出場車のためのクラスも用意。ル・マンのサルト・サーキットとは異なり、18mの高低差を一気に下りながらS字コーナーを切り返すコークスクリューなど、テクニカルなコースレイアウトを持つラグナセカだが、レースはどれも白熱したものばかりだ。
これまで多くのモータースポーツ・イベントと同様に、日曜日(正確には土曜日と日曜日に分けて)に決勝レースが行われていたこのイベントだが、今年からは新しい試みとして、例のコークスクリューを含むサーキットの一部分を逆回りで使用した、ヒルクライム・イベントが日曜日に開催されることになった。
ちなみにその最初の勝者となったのは、EVの新興勢力であるルチードのエア・グランド・ツーリング。その記録が誕生した瞬間をみたゲストが、驚きを隠せなかったのはいうまでもない。