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9速ATと6速MTを「両方使える」クルマってどういうこと? ケーニグセグCC850の謎のトランスミッションを解説 (2/2ページ)

9速ATと6速MTを「両方使える」クルマってどういうこと? ケーニグセグCC850の謎のトランスミッションを解説

この記事をまとめると

■スーパースポーツカーの最前線を走るケーニグセグからCC850が発表された

■CC850には9速ATモードのほかにH型シフトゲージを持つ6速MTモードが用意されている

■異なるふたつのトランスミッション形式を備えたのは、車両を操作している充実感を演出するためだ

段とばしを実現した9速LSTに6速MTモードを設定

 いまやトップスピードは400km/hを超えてしまったスーパースポーツカー群だが、その中にあっとてもひと際目立つブランドがスウェーデンのケーニグセグだろう。

 1994年、クルマ好きの青年が設立したこの会社は、世界最高レベルの動力性能を標榜。CCシリーズを皮切りにアゲーラシリーズへと発展し、2020年発表のジェスコ系モデルのトップスピードは、理論値だが480km/h以上と公表されている。

 もはやドライバーの制御限界をはるかに超す性能域に突入しているが、今年8月に公表された最新モデルのCC850では、興味を引くトランスミッションが採用された。

 ベースとなったのはジェスコシリーズで採用となった自社開発の9速「LST」(ライトスピードトランスミッション)で、機構的にはマルチクラッチトランスミッションと呼ばれる方式だ。ふたつのクラッチを持つDCT(デュアルクラッチトランスミッション)をさらにマルチクラッチ化したものと考えられるが、9速ATモードのほかにH型シフトゲージを持つ6速MTモードも組み合わせたミッションだ。

 DCTとの違いは、DCTは次の選択ギヤが現在走行するギヤのひとつ上かひとつ下しか選べない構造だが、LSTでは段飛ばし(直接6速から3速といった具合)のシフトを可能としている。もちろん、車速やエンジン回転数を検知した上での変速作用で、たとえば7速300km/h走行時に2速ギヤを選んでもシフトされないことになる。

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