クルマを手放して駐車場を解約する人も増えている
車庫飛ばし
最近はマンションの立体駐車もそれなりに大きなSUVでも止められるようになっているそうです。が、規定外の大きさや重さにならないよう、そのあたり契約に際してはしっかりと確認されることは言うまでもないでしょう。困るのは、立体駐車の位置によって規定が変わり、ここは大型SUV大丈夫、こちらはセダンタイプのみ、などの縛りがある場面。たとえば、パナメーラに乗っていた方がベンテイガに買い替えたなんてときは厄介です。SUVスペースに空きでもあればスムースでしょうが、生憎と満車だったりしたら……。
「ベンテイガ、あきらめるのも癪に障るから、いったん近所の駐車場で車庫証明をとって、クルマの契約だけ進めればよし」
金持ち世捨て人らしい、杜撰な対応ですが、これはいわゆる車庫飛ばしとなり、違法もいいところ。決してマネしてはいけません。マンションの規定に沿って、SUVスペースが空くのを待って、きちんと契約車両の変更をするのが常識。
「ま、タワマンだけでなくマンション駐車場のややこしいところだな」。
だな、じゃねえっつーの。
空きが目立って、管理費高騰か?
だいたい、タワマンは人気エリアに建つものと相場は決まっています。たいていは駅近だったり、交通至便も大きなメリットだったりするのです。
「だから、遠くでなければコンシェルジュにタクシー呼んでもらうほうが便利でな」と金持ち、わがまま世捨て人も鼻をほじくってます。タクシーならファサード(クルマまわし)に着いたときに呼んでもらえばいいし、駐車場渋滞ともおさらばできますからね。
「月に何度か使っても、都心で乗ってるから5万の声は聞かねえし」。
つまり、タクシー代が5万円という駐車場代を越えることは滅多にないと。なるほど、世捨て人が住んでいるタワマンではクルマを手放して、駐車場を解約する方も増えているのだとか。もっとも、10台空いたら月に50万円の減収で、管理組合にとっては手痛い金額に違いありません。
「かといって、住民以外に貸すなんてセキュリティ的に問題となる。で、来年から管理費の大幅な値上げが予定されてるんだとよ」。
ざまあみろ! 筆者の気持ちが顔に出てしまったのか、世捨て人の口元が歪みました。
「仕方がねえから、空いてる駐車場を全部オレが借りることにしたんだ」。
あ、それで又貸しビジネスにしようという魂胆? でも、それまた違法行為、少なくともマンションの規定に引っかかるのでは?
「バカめ! これで管理費の値上げが避けられたら、感謝されこそすれ、文句言われる筋合いでもねーだろ!」。
しかも、自分の懐にだってチャリンチャリンですからね。やっぱり、タワマン最上階でドヤ顔する金持ちって考えること違うわ(笑)。