この記事をまとめると
■デザイン系ライターすぎもと たかよしさんが少年時代に憧れたクルマを紹介
■走りなどの性能よりデザインに重点を置いて当時はクルマ選びをしていた
■どれも40年以上前のクルマになるが、今見ても斬新なデザインとして存在感がある
デザインが格好良すぎて欲しくなった珠玉の国産車たち
筆者がクルマに興味を持ち始めたのは、じつは高校生のころ(1980年前後)と結構遅い時期でした。小さいころから絵を描くのが大好きだったのですが、やっぱりクルマも興味の的は走りよりデザイン! そこで、当時「いま免許を持っていればコレに乗りたい!」とすっかり魅了されていた、グッドデザインの5車を振り返ってみます。
●本物の走りを目指した高級2ドアクーペ
まずは、王道としてトヨタの初代「ソアラ」です。クルマ好きの高校生としては、アウトバーン巡行を公言したスーパー・グランツーリスモとしての高性能にも惹かれましたが、やはり空力を意識した2ドアクーペスタイルに釘付けでした。
「そこには牙をむき出しにしたラインは1本もない」というカタログコピーは、いま思えば相当な意識の高さを感じさせるし、「素顔美人」なるキーワードも地に足の着いた姿勢です。実際、プレスドアを用いたボディはカタマリ感のあるシンプルかつ骨太な造形で、ウエッジスタイルには先進性を感じさせました。
もちろん、当時免許を持っていたとしても手の届かない高級車でしたが、だからこそ憧れも強かったと言えそうです。
●ライバルに先んじた上級スペシャルティ
さて、そのソアラのライバルとされた日産の初代「レパード」が2台目です。「ブルーバード」の上級に位置付けされながら、おかしな高級志向に陥らなかったスタイルは、強いウエッジが効いた超スポーティな佇まいが特徴でした。
スラントしたフロントグリルに長いボンネットを経由し、そのままリヤまで流れる伸びやかなキャラクターライン。ここに4ドアを設定すること自体が冒険ですが、ピラーをブラックアウトさせ、リヤまで回り込ませた広大なグラスエリアが圧倒的な先進感を醸し出しました。
その思い切りはライバルに比べると少々「子供っぽい」とも言えますが、高校生の目には、だからこそ魅力的に見えたのは間違いありません。