この記事をまとめると
■16代目となる新型クラウンが発表された
■4モデルのうち、まず今秋に発売されるのが話題のクロスオーバーモデル
■今回は御堀直嗣さんが乗ってみた印象をお届けする
後輪にモーター駆動を用いるE-Fourを体感
クラウンが、16代目にして4ドアセダンからクロスオーバーとして登場したことに驚かされた。だが、いま人気のアルファードの5分の1ほどの台数しか売れていない市場を見れば、67年の歴史を刻むクラウンにも新たな挑戦が必要であったことは納得できる。
4ドアセダンからクロスオーバーへの転換も新しければ、後輪駆動から前輪駆動を軸とした4輪駆動になったことも新しい。4輪駆動の方式は、後輪にモーター駆動を用いるE-Fourが一つ。この発想は、2001年のエスティマ・ハイブリッドに遡る。
加えて、新型クラウンで新たに登場したのが、デュアルブーストハイブリッドシステムだ。こちらは、後輪に同じくモーターを用いるが、ガソリンターボエンジンとの組み合わせによる後輪モーターは水冷式となり、出力がより高い。前後のトルク配分は、後輪側に8割を担わせることも可能で、後輪駆動的な乗り味も体感できる。ちなみにE-Fourは後輪のトルク配分が2割までだ。
試乗したのはE-FourのGアドバンスドの19インチタイヤと21インチタイヤ、デュアルブーストハイブリッドのRSアドバンスド(21インチタイヤ)の3車種だ。そして、3台とも乗り味に違いがあった。
まず、排気量2.5リッターのダイナミックフォースエンジンと呼ばれる高熱効率を追求した自然吸気エンジンと従来型のトヨタハイブリッドシステムを組み合わせたGアドバンスドは、19インチタイヤの乗り味がやや粗く、クラウンという上級車に期待した上質さを体感しにくかった。走行中はつねにハンドルに微振動があり、これも不快だった。
一方、21インチタイヤになるとそれらの違和感は薄れ、上級車にふさわしい乗り味になった。