シートにはブランドロゴのステッチが施される
内装は、全グレード共通で、ブラックダッシュボードとドアアームレストのステッチがブルーになり、センターコンソールにシフトセレクターとドライブモードセレクターを配置したことで小物入れの容量を増やした。また、ペダル類もアルミ仕様となって高級感を演出。
さらに、すべてのシートに快適な座り心地をもたらすシトロエン独自のアドバンスドコンフォートシートを引き続き採用する。このシートはベースに低反発効果のある高密度ウレタンを使用して、表層部に15mmの厚さでやわらかなスポンジを挟む手法が用いられており、高密度フォームの厚みのある構造により生み出された姿勢保持とコンフォート性能が、長距離ドライブの疲労を軽減する役割を果たす。後席にはフルサイズの3席独立シートを採用。3席とも同じ座面幅でありながらリクライニング機能と150mmの前後スライド機構を備え、乗員の好みに応じた調節を可能にしている。
C5エアクロスSUVの魅力のひとつにもなっているアドバンスドコンフォートシートは、グレードによって素材が異なる。ベースグレードの「シャイン」は、背もたれ中央にアルカンタラ、サイド部にテップレザーが組み合わせられたシートとなり、上級グレードの「プラグインハイブリッド」と「シャイン パック」には、ダークブルーのナッパレザーと座面と背もたれの中央に黒のパーフォレーテッドレザーを組み合わせたシートを採用、柔らかな触感とともに上質な座り心地に進化したあたりはさすが上級グレードといったところ。
どのグレードのシートにも、「ダブルシェブロン」をモチーフにしたブルーのステッチが施されて、快適装備としてフロントシートヒーターやシートバックに内蔵された8つのエアサポートで疲れを癒す運転席マルチランバーサポートを採用。快適性をより向上させた。
そのほか、ユーティリティやパワートレイン、走行性能に関する機能などに変更はない。
荷室容量は約580リッターを確保しており、リヤシートを折り畳むことで、最大約1630リッターの広大なスペースを生み出す。また、便利機能として、スマートキーを所持している状態でリヤバンパーの下で足を動かすと自動でテールゲートが開くハンズフリー機能が備わり、荷物で両手がふさがっているときなどには大いに役立ってくれそうだ。
パワートレインは3種類を用意。1.6リッター直4ガソリンターボエンジンに8速ATの「ピュアテック」、2リッター直4ディーゼルターボエンジンに8速ATの「ブルーHDi」、1.6リッター直4ガソリンターボエンジンと電動モーターの組み合わせにプラグインハイブリッド専用の電動対応型8速ATの「プラグインハイブリッド」だ。
プラグインハイブリッドシステムは、フロントアクスルに搭載された電動モーターが最高出力110馬力、最大トルク320Nmを発揮。駆動用のリチウムイオンバッテリーの容量は13.2kWhで65kmのEV走行も可能なため、普段はモーター走行のみでまかないつつ、長距離移動の際にはガソリンエンジンとモーターによる効率のよい走行をするといった使い方も可能だ。ちなみに充電時間は、200V・3kWの普通充電器で約5時間、200V・6kWのウォールボックスタイプの普通充電器で約2.5時間となっている。
サスペンションは、ハイドロニューマチックサスペンションの流れを汲む「PHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)」を全車に標準採用。ショックアブソーバー内にセカンダリーダンパーを組み込んだことで、衝撃を抑制してゆったりとした快適な乗り心地を実現している。
また、トラクションを制御することで悪路走破性を高める「グリップコントロール」は、スノー、マッド、サンドの3つのモードを用意。路面状況に適したモードを選んで走行安定性を保つ役割を果たす。
さらに、ヒルディセントコントロールも備わり、滑りやすい急斜面の下り坂での走行をアシストしてくれるなどSUVとしての頼もしさを兼ね備えている。
安全性能は、前走車との車間距離を保つアクティブクルーズコントロールに、走行位置を維持するレーンポジショニングアシストと、渋滞時の車両停止後の再発進を自動で行うトラフィックジャムアシスト機能が統合されたことで、高速道路での疲労やストレスを軽減。また、車線変更時の後方確認をアシストするブラインドスポットモニターや車庫入れや縦列駐車の際にステアリング操作を自動で行うパークアシストなどが搭載される。
シトロエンC5エアクロスSUVの価格は、「シャイン」が487万9000円、「シャイン ブルーHDi」が509万4000円、「シャイン パック ブルーHDi」が552万5000円、「プラグインハイブリッド」が637万6000円となる。
最新のデザインコードの採用で新世代シトロエンに共通した精悍フェイスを手に入れたC5エアクロスSUV。これまでもなかなかに個性的ではあった同モデルだが、今回のマイナーチェンジによって「このデザインだけでも選ぶ価値がある」、そう思わせてくれるに十分なモデルとなった。