この記事をまとめると
■いまから30年以上前、東京〜博多間を結ぶ夜行高速バス「はかた号」に乗った
■某TV番組で乗った芸能人はかつて「ケツの肉が剥がれる夢をみた」と発言
■いまのはかた号は個室のプレミアムシートを備えた超豪華バスになっている
かつて日本最長の運行距離を誇った高速バス路線「はかた号」
コロナ禍で徹底的にダメージを受けた観光業界への救済策として、政府は10月11日より12月20日まで「全国旅行支援」を実施している。全国規模で展開されるものだが、すでに実施予算の上限に達し、全国旅行支援の予約受付を停止している道県も目立っているが、都内で全国旅行支援対象ホテルをのぞくと、多数の宿泊客で、コロナ禍前ほどとまではいかないものの、久しぶりに賑わいを取り戻していた。
2020年にやはり観光業界への支援として行われた「GOTOトラベル」では、飛行機を使い札幌と福岡へ出かけた。コロナ禍前は海外取材がけっこう多かったこともあり、飛行機に乗るのにも慣れているので、大阪出張でも航空会社の「出張パック(航空券とホテルがセットとなりお得なやつ)」を使い、伊丹空港発着便を選び使っている。ただ、先日てっきり伊丹空港へ向かう便を予約したつもりで飛行機に乗ったはいいが、着陸する時に関空(関西国際空港)に着陸するまで、関空便を間違って予約していたことに気がつかず驚いたことがある。
いまでこそ移動は飛行機メインだが、若いころよく利用したのが深夜高速バスであった。大学を卒業したばかりのころ、いまから30数年前になるが、初めて利用した深夜高速バスが、国内最長距離ともいわれている「はかた号」であった。大学時代の九州出身の友人が卒業後に故郷で就職したので、夏季休暇のタイミングでその友人に会いに行きながら、福岡周辺で遊ぼうと利用したのである。はかた号が運行開始から1年ほど経ったタイミングと記憶している。
現在のはかた号は、東京都の新宿駅南口にある「バスタ新宿」と福岡市のはかたバスターミナル間の、1000km強を14時間少々で結ぶ深夜高速バスとなる。筆者が乗車したころは、新宿駅西口にあるヨドバシカメラ前に当時あったバスターミナルに発着していた。「どうせ車内で寝ているだけだから」と、発車時刻近くまで職場の同僚と居酒屋で宴会を行い、そのままバスに乗車した。
当時は西鉄バスと京王バスが共同運行していて(いまは西鉄バスのみ)、福岡へ行くときは、西鉄車両で乗降扉側の窓側席に座っていた。車内は両窓側に1席ずつ、そしてセンターに1席が用意されていた。席の前後と通路側にはカーテンがあって仕切られてプライベート空間ができたことと、酔っぱらっていたので発車後しばらくは、寝ぼけ眼で目を覚ますこともあったが、ほぼ爆睡していた。
目がはっきり覚めたときにはバスは中国自動車道に入っていた。カーテンの隙間から外を見ても、中国自動車道は山間部をひたすら走るので、灯りもなく真っ暗だったのを覚えている。その後は目がさえて寝付くことができなかったのだが、寝ても覚めてもしばらく真っ暗闇の中バスが進んでいたのを覚えている。
関門海峡を渡る前に立ちよったサービスエリアで朝食代わりの軽食が配られたのには驚いた。かなり長時間乗車していたのだが、若かったこともあるのか、到着したときには意外なほどケロッとしていて、そのまま友人の職場へ向かった。友人に会った時「バスで東京から来た」と伝えると、「えっ、なんでバスできたの? 飛行機とか新幹線とかあるよね」とかなり驚かれた。途中まで爆睡していたものの、それでも長い時間乗っていたと感じた。
東京へ戻るときは京王バスの車両であった。記憶では各席を仕切るカーテンがなく、運行事業者で微妙に車両スペックが異なるんだなあと思っていたのを記憶している。