ダイハツの軽自動車を全車種徹底解説! (2/3ページ)
ダイハツの軽自動車【ハイトワゴン】
タント
全長3395mm×全幅1475mm×全高1755mm、ホイールベース2460mm
車両本体価格:138万6000〜177万1000円
4代目となる現行型が登場したのは2019年。2003年にデビューした初代は、全高1700mmと広大な室内空間を実現。現在では軽自動車の売れ筋となっているスーパーハイトワゴンのパイオニアとして大きな話題となりました。
歴代モデル同様に現行型は広大な室内空間とBピラーレスのミラクルオープンドアを備え、とくに家族層に支持されています。
リヤシートの前後スライドは240mmと広い調整量を誇るなど、タントの伝統とも言える利便性が高い機能を備えました。
ただ先代と異なり、新型にはアンダーボディやサスペンションの高剛性化を図り車体の安定性や乗り心地を向上させた「DNGA」と呼ばれる新世代プラットフォームを採用。先代よりボディが約40kg、フロントサスペンションは約10kg軽量化されながら剛性がアップしています。
パワーユニットはKF型直列3気筒エンジンを搭載。カスタムだけでなく標準モデルとなるタントにも最高出力64馬力を発揮するターボが用意されています。
エンジンに組み合わされるのはスプリットギヤ式CVTで、どの回転域からでもスムーズな加速が味わえます。
また16種類の予防安全機能が備わる「スマートアシスト」を全車に装備しました。
タント カスタム
全長3395mm×全幅1475mm×全高1755mm、ホイールベース2460mm
車両本体価格:178万2000〜199万1000円
ユーティリティ性能に優れたタントをベースに、精悍な見た目を備え差別化したタント カスタム。
今年10月に行われたマイナーチェンジで、2ピースとなったバンパーまで広がるほど大型化されたフロントグリルなど派手さが増した意匠チェンジが行われました。これはユーザーからの「タント カスタムはもっと派手に、迫力を出してほしい」との要望が多かったことが大きな要因です。
また内装も標準仕様とは異なり、黒を基調とした上質なカラーコーディネートで統一。タントよりワンランク上の高級感を備えました。
ただ、パワーユニットやその他機能、室内空間の取り回しなどはタントと違いはありません。
燃費性能もタント、タントカスタムともにNAが21.4〜22.7km/L、ターボが19.6〜21.2km/L(WLTCモード)となります。
グレードはノンターボの「カスタムX」、ターボの「カスタムRS」をラインアップし、それぞれにFFと4WD仕様を用意。ホイールが15インチ(RS)か14インチか、ステアリングホイールが本革巻き(RS)かそうでないかなどに違いはあるものの、両グレードに装備の差は少ないため、ターボにするかNAでよいかがグレードを選ぶ基準となります。
ダイハツの軽自動車【SUV】
タフト
全長3395mm×全幅1475mm×全高1630mm、ホイールベース2460mm
車両本体価格:135万3000〜167万2000円
世界的に広がりを見せるSUVムーブメントは当然軽自動車界にも及んでいます。ジムニーやハスラーなど、とくにズズキが軽SUVを引っ張っていますが、ダイハツが2020年にデビューさせた軽SUVがタフトです。
直線基調の背高ボディに樹脂製のストーンガードを装備。SUVテイストを身にまとった個性的なエクステリアデザインがタフトの大きな特徴です。
また雪道や悪路なども走破しやすい190mmの最低地上高を取ったこともタフなイメージをもたらしました。ただ、ジムニーほどの悪路走破性を備えてはおらず、ライバルとなるスズキ・ハスラーと同程度のオフロード性能といえるでしょう。
タフト最大の魅力は開放感抜群のガラスルーフ“スカイフィールドトップ”を装備したこと。このルーフを全グレードに標準装備したことはハスラーにはないポイントです。
また背高ボディを採用しながらも室内空間の広さを重視しているだけでなく、室内後部を用途に合わせフレキシブルに使える空間に仕立てたことも個性的。リヤシートは畳むことを前提にしており、収納時は完全にフラットなラゲッジフロアが生まれます。大きな荷物を積載するのはもちろん、運転席や助手席を倒すことで車中泊にも対応が可能です。
リヤシートの背面やラゲッジのフレキシブルボードは汚れを拭き取りしやすい加工が施されるなど、レジャー時に嬉しい工夫も数多くなされました。
搭載するエンジンはKF型660cc直列3気筒でターボとNAを用意。ターボは最高出力64馬力を誇ります。
タント ファンクロス
全長3395mm×全幅1475mm×全高1785mm、ホイールベース2460mm
車両本体価格:172万1500〜193万500円
10月に行われたタント、タントカスタムのマイナーチェンジに合わせ登場したニューモデル。タントをベースに最低地上高を高め、バンパーなどにガード風パーツを備えるなどSUVテイストを身にまとったクロスオーバーとしてタントファミリーに加わりました。
タントやタントカスタムとは異なる専用のフロントマスクや前後バンパーを備えたことやルーフレール、ボディ側面に貼られたガード加飾を標準装備。さらに撥水加工を施した専用シートやダッシュボードにアクセントが加えられたことが特徴で、シート表皮も独自のカモフラージュ柄となっています。
その他、プラットフォームやパワーユニットなどはタントやタントカスタムと同様。エンジンもKF型直列3気筒エンジンを搭載し、NAとターボがラインアップされているところも変わりません。
ただし車両重量が増したため、燃費性能はNAが21.4〜21.9km/L、ターボが19.6〜20.6km/L(WLTCモード)となります。
またボディカラーもタントやタントカスタムとは異なる8カラーを用意。2トーンカラーも5パターン(タントやタントカスタムはそれぞれ2パターン)となるところはファンクロスの特徴です。
タント ファンクロスは8月に販売が終了したウェイクの後継的なモデルとなり、スズキ・スペーシアギアが最大のライバルとなります。どちらもアウトドアなどでの利用に便利な工夫が数多くなされているため、レジャーでの使用をメインに考えるユーザーにとって選択肢が広がりました。
ダイハツの軽自動車【スポーツカー】
コペン
全長3395mm×全幅1475mm×全高1280mm、ホイールベース2230mm
車両本体価格:188万8700〜243万7200円
現行コペンは2014年に登場した2代目。2代目コペンは多くのトピックスを備えていますが、最大の魅力は軽自動車にもかかわらず電動開閉式ルーフ「アクティブトップ」を備えていることでしょう。
また独自の「Dフレーム」構造を採用したことで、ボディ外板をパネル化しデザインを変更可能にした「ドレスフォーメーション」もコペンの大きな魅力といえます。
「ドレスフォーメーション」とはその名の通り服を着替える感覚でクルマの外観を変えることができるシステム。ボディ剛性を外板パネルに頼ることなく基本骨格で確保する「Dフレーム」を採用したことで可能としました。
この新構造を採用したことに加え外板パネルをボディとボルト締め付けで固定する方法を採用。通常の溶接とは固定方法が異なることで外板との着脱を容易にしたのです。
またフロント&リヤフェンダーやフロントバンパーなどパネルの大部分を、樹脂製パーツとしていることも着せ替えを可能としています。
2代目コペンに搭載されているエンジンはKF-VET型直列3気筒エンジン。最高出力64馬力、最大トルク9.4kg-mを発揮するこのエンジンに5速MTとCVTが組み合わされています。
4気筒エンジンを積んでいた初代とは異なり、タントをはじめとするダイハツ車に搭載されていた3気筒のKF-VET型を選択した2代目ですが、ピストン形状の変更やバルブスプリングの強化をするなどの改良が加えられています。結果、スポーツカーらしい走りに適したパワーユニットに仕立てられました。
コペンは現在、標準仕様といえる「ローブ」、SUVテイストを身につけた「Xプレイ」、丸めヘッドランプが特徴の「セロ」、7速スーパーアクティブシフト付きCVTなどを備えた「GRスポーツ」と4タイプをラインアップ。
ホンダS660やスズキ・アルトワークスなどライバルとなる軽スポーツのライバルが消滅するなか、とくに貴重な存在となっています。