この記事をまとめると ■トヨタGRからGT4車両の「GRスープラ GT4 EVO」が発売された
■世界中のチームから課題点の聞き取りを行ない、ブレーキ、ハンドリング、エンジンを改善した
■2023年の1月にデビュー戦が予定されている
より強くより速くなるために改良されたマシン 世界にはさまざまな国際レースが存在する。レース車両にも規定があり、決められたルールの中で繰り広げられるチーム間の熾烈な争いが醍醐味のひとつだ。そして、市販車に近いレースカーで争われるレースカテゴリーとして人気があるのが「グループGT4」。このカテゴリーは、参加費用が他に比べて安く改造範囲も限定的で、ベース車両のポテンシャルが勝敗を左右する。日本の自動車メーカーが製作・販売するGT4マシンは「GRスープラGT4」のみだったが、2022年9月に日産に「NISSAN Z GT4」が発表され、今後は日本メーカー同士の戦いも見られるだろう。
すでにデビューを果たしているGRスープラGT4は、11の国や地域のGT4シリーズ戦や国際レースで勝利しており、今年8月には50回目のクラス優勝を成し遂げている。
そして今回、GRから改良版の「GRスープラGT4 EVO」が発売された。
トヨタ「GRスープラ GT4 EVO」のリヤ 画像はこちら
この「GRスープラGT4 EVO」は、GRスープラGT4でレースを戦っている世界中のチームからマシンの課題点を聞き出し、ネガを潰すための改善が施された。
まず、ブレーキ部品の改良とABSセッティングの変更でブレーキ性能を強化。
また、KW社の最新技術が導入されたアブソーバーとスタビライザーバーの仕様と特性を見直して最適化することで、コーナリング性能を向上させた。
トヨタ「GRスープラ GT4 EVO」の走行写真 画像はこちら
さらに、冷却効率の向上などにより、3リッター直6ターボエンジンの出力向上と、回転数に応じたスムーズなトルクの発生を実現させたことで、サーキット走行時の車両応答性を磨き上げた。
トヨタ「GRスープラ GT4 EVO」の走行写真 画像はこちら
車両価格は18万6000ユーロ、日本円に換算すると約2740万円。さらに、GRスープラGT4のオーナーには、アップグレードキットの提供も検討されている。GRスープラGT4 EVOのデビュー戦は、2023年1月のデイトナ24時間レースと併催されるIMSAミシュラン・パイロット・チャレンジ第一戦を予定している。
世界中のチームからのフィードバックを受けて徹底的な改良が施されたGRスープラGT4 EVOは、プロドライバーが求める高い性能と、アマチュアドライバーでも扱いやすい優れた操作性を両立したことで、来年以降も世界各国で勝利数を積み上げることだろう。GRスープラGT4 EVOのさらなる活躍に期待したい。