もはや死語だけど「ハードトップ」ってカッコよかった! オヤジ感涙の80&90’sイケてるHT車4台 (2/2ページ)

どうみても「クーペ」を名乗るのにふさわしいモデルも登場

マツダ・ペルソナ

 ハードトップのスタイリッシュなクルマを特集すると、だいたいカリーナEDが選ばれがち。で、こちらのペルソナは同車のフォロワー、つまり柳の下のドジョウを狙ったなどとセグメントされがちなようです。2車とも似てるといえば似ているかもしれませんが、クルマとして日常使いした際の気持ちは公務員VS反社会勢力くらい違ってくるかと。

 ご承知のとおり、ペルソナは曲線の重なりを計算しつくしたかのようなハードトップも素敵ではありますが、白眉はなんといっても本革をふんだんに使いまくったゴージャスなインテリア。公務員がお茶の間で晩御飯をささやかに食べてるイメージのEDに対して、ベルサーチ着たチャラいヤクザが新地のホステスを口説いていそうなシート、といったらピンとくるでしょうか。

 このインテリアをより「映える」ものにしているのが、適度な日差しを確保してくれるウインドウラインや、細めのCピラーといったパッケージにほかなりません。窓をすべておろしてドアを開けていると、車内があけっぴろげに見えるのですが、そこにチンチラでもいようものなら、ビスコンティの映画みたいなシーンです。

 世間ではモデルチェンジして2代目が出なかったとか、売れ行きが悪かったといった理由で不憫なモデルとのレッテルが貼られていますが、はかなげな一生こそペルソナにはお似合いな気がするんですがね。

ホンダ・レジェンド 2ドアハードトップ

 正式車名こそ2ドアハードトップとなっていますが、どう見てもクーペと呼ぶのがふさわしいのではないでしょうか。ともあれ、ホンダに限らずハードトップは呼んだもの勝ちみたいなところがありますから、目くじら立てても仕方ありません。

 それにしても、国内市場を超越した設計で最初から「3ナンバー上等!」という気概だったのでしょう、全長4775mmにホイールベース2850mmというのびやかなスタイリングはいま見てもウットリです。広く、低くというキースタイルはまさにハードトップにもってこい! とくに後ろ斜めからの見た目は昨今のニセクーペ(4ドアモデル)が裸足で逃げ出すほどの美しさ。

 ちなみに、キャラクターラインにもなっているブリスターフェンダーですが、こちらはボルテックスジェネレーターの役割も担い、タイヤハウスからの雑音を排する機能がもたらされているとか。4ドアセダンはBL(ブリティッシュ・レイランド)との協業もありましたが、2ドアはホンダ独力の開発。リヤサスペンションをダブルウイッシュボーンに変更したり、シャシー剛性アップさせたり、「高級ハードトップかくあるべし」を忖度ぬきでやりたい放題。

 なお、搭載されたSOHCエンジンのC27A(V6エンジン)は、のちにチューンされてNSXに搭載されることに。そういう流れからみても、ホンダにとってレジェンドはまさに遺産や伝説にふさわしいモデルに違いありません。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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