LUXIONでなくてもe-POWERなら先進技術の恩恵を受けられる
新型セレナのe-POWERモデルには、100%電動車ならではの(1.4リッターのエンジンは発電専用)最先端のマネージメント技術が搭載されている。e-POWERのシステム上、エンジンでの発電は不可欠だが、車両状態、走行環境に加え、なんとナビと連動したエンジン作動タイミングまで制御してくれるのである。路面状況(ロードノイズの発生)を検知して、荒れた路面での発電を優先するのはほかのe-POWERと同じだか、先代e-POWERセレナに対して、バッテリーが減っても極力充電しない範囲を広げるとともに、なんと発電制御をナビとリンク!
ナビに目的地を設定すると、目的地周辺ではEV走行、下り坂では回生ブレーキを最大限に活用できるように自動で制御してくれるのだ。たとえば、リゾート地が目的地の場合、その手前で発電・充電を行い、空気のきれいな目的地周辺になるとEV走行してくれるという具合である。深夜、自宅に帰る際、自宅を目的地設定しておけば、EV状態で静かに家にたどり着けることになる。このルート上の充放電を先読みする発電制御は世界初の技術だというからあっぱれだ。
プロパイロットパーキングも進化している。これまでもプロパイロットパーキングはあり、白線を検知して、切り返し操作まで自動で枠内に駐車をしてくれる機能で、プロパイロットリモートパーキングにおいては、ギリギリの駐車スペースでも、ドライバーが車外からインテリジェントキーを操作することで、駐車位置を指示することなく、前進、後退を指示し、リモートパーキングが行える神業機能だった。が、ひとつ不満があったとすれば、それは自宅の駐車場など、白線のない駐車スペースでは、プロパイロットパーキングが使えなかったこと。
しかし、新型セレナのプロパイロットパーキングはメモリー機能が付き、ついに白線のない駐車スペース、奥まった駐車スペースにも対応してくれたのである(祝)。つまり、より現実的に使えるプロパイロットパーキングに進化したというわけだ。
このほか、新型セレナには360度セーフティアシストのプロパイロットやプロパイロット緊急停止支援システムSOSコール機能付き、日産コネクトナビによるオペレーターサービスなどのほか、日産初のインテリジェントルームミラーと統合したドライブレコーダーの用意まであるほどだ。
そうそう、かなり細かい話にはなるのだが、先代では一部グレードに標準、またはOPの電子パーキングブレーキとメモリー付きオートブレーキホールド機能(メモリー付きとは、パワースイッチをOFFにしても機能が維持されること)を標準化しているのだが、電子パーキングブレーキの作動にはちょっとした操作が必要だ。
というのは、今回、試乗した新型セレナの電子パーキングブレーキは、アクセルを踏むと自動解除されるのは当然としても、ボタン式電制シフトをPレンジに入れても自動で電子パーキングブレーキがかからなかった。が、それはメモリー付きオートブレーキホールド機能がOFFになっていたからで、ステアリング左下のオートブレーキホールドスイッチをONにしておけば、ボタン式電制シフトをPレンジに入れれば、自動的に電子パーキングブレーキがかかる仕組みとなっている。
というわけで、新型セレナは先進装備、先進運転支援機能でも、大きな進化を果たしていることになる。「プロパイロット2.0」を搭載する最上級のLUXIONグレードでなくても、e-POWER車ならその恩恵を存分に受けることができるのだ。