この記事をまとめると
■日産エクストレイルと三菱アウトランダーはミッドサイズSUV
■いずれもCMF-C/Dモジュラープラットフォームを採用
■どちらを買うのが正解か、さまざまな側面から比較してみた
じつはプラットフォームを共用する2台!
新型エクストレイルの登場でますます過熱する国産ミッドサイズSUVだが、じつは新型エクストレイルと三菱アウトランダーは、もちろん、上屋やパワートレインはまったく別物であることは、一目瞭然だが、日産・三菱・ルノーのアライアンスによるCMF-C/Dモジュラープラットフォームを共用する兄弟関係!? の間柄なのである。ちなみにパワートレインは日産がe-POWER、三菱はPHEV、ルノーはE-TECHハイブリットを主力としている。
ここでは、日本車同士の日産エクストレイルと三菱アウトランダー、どっちを買えば正解かを検証したい。どちらも走破性自慢のSUVであることに変わりはなく、日産はe-4ORCE、三菱はS-AWCの先進的な4WDシステムによって、少なくとも日本でその走破性の実力を100%発揮するようなシーンは、特別な特設悪路コースでもない限り、ないと言っていい。最低地上高はエクストレイルの4WD、e-4ORCEが185mm、アウトランダーが基本、200mmとなる。
パワートレインはまったく別物だ。エクストレイルは3気筒VC(可変圧縮比)ターボによるシリーズハイブリッド、100%電動駆動のe-POWERであり、発電用エンジンは1.5リッター、それに駆動用のフロントモーターを組み合わせ(2WD車)、e-4ORCEはさらにリヤモーターが加わる。一方、全車4WDのアウトランダーは充電も可能なPHEVであり、エンジンは2.4リッター、フロント&リヤモーターの組み合わせとなる。ここではスペックについては言及しないが、どちらも必要十分以上の動力性能の持ち主と言っていい(リヤモーターは偶然にも同スペック!!)。
大きく違うのは動力源で、エクストレイルはe-POWERだから100%電動駆動。発電のためにエンジンがかかることはあっても、駆動はあくまで強力なモーターとなる。一方、アウトランダーは駆動用バッテリーとエンジンの併用であり、エンジンは発電と駆動を担い、モーターのみによるEV走行可能距離は満充電でWLTCモード83~87km、実質65~70kmだ(EV走行可能最高速度は135km/hまで)。ちなみに両車ともに、WLTCモードで最大1000km程度の航続距離を持ち合わせる。
ボディサイズはエクストレイルが全長4660×全幅1840×全高1720mm。アウトランダーは全長4710×全幅1860×全高1740mm。エクストレイルのほうがやや短く、幅狭だが、大きな違いはない。走りやすさに直結する最小回転半径はエクストレイル5.4m、アウトランダー5.5mとこれまた互角。基本プラットフォームが同じだから、このあたりが似通っていても当然かもしれない。
エクステリアデザインははっきり言って好みで選べばいいと思うが、どちらにもある3列シート車の3列目席に期待は禁物だ。ホイールベースはエクストレイル、アウトランダーともに2705mmで、国産3列シートミニバンのハイエンドであり、3列目席にも大人がしっかり座れるアルファードの3000mmとは大きく違う。乗降性も居住性も座り心地も、あくまで格納前提の補助席的でしかなく、3列目席を使うことで荷室の奥行きはエクストレイルで330mm、アウトランダーに至っては220mmとなり、フル乗車でアウトドアへ……なんていう場面での荷物など積み込みは難しい。3列目席は近所の送り迎え程度の実用性でしかないと考えたい。