この記事をまとめると
■「デラックス」というグレードは登場時は上級モデルに設定されていた
■時代が進むにつれてより上級グレードが充実し、お買い得グレードにシフトしていった
■装備が充実しながらも安価だったので人気だった
「デラックス」の名を冠した思い出のお買い得グレードたち
デラックスグレードは、1960年代後半には文字どおり豪華グレードとして設定されていたが1970年代に入ると、ハイデラックスやGLといった上級グレードが設定されるようになり、いつしかお買い得グレードとなっていった。ここではトヨタ車に絞って、筆者の心に残るデラックスグレードやそれに近いグレードをベースにした特別仕様車を紹介することにする。
クラウンセダン オーナーデラックス(3代目)
1967年にデビューした3代目クラウンでは、“白いクラウン”のキャッチフレーズの下、それまでの“黒塗りのハイヤーや社用車”イメージだったクラウンをオーナーカーとして普及させようとした。そしてその目玉が“オーナーデラックス”だった。
2リッター直6エンジンを搭載し、大型時計、AMラジオ、ヒーター、サイドベンチレーター、ルームベンチレーターなど、デラックスより若干装備内容を落とし、買い得感を高めながらもボディカラーが5色あり、ホワイトもオーナーデラックスから選べるようになっていた。
マークII L(3代目)
1976年に通称“ブタ目”と呼ばれる3代目マークIIがデビューしている。マークIIでは2代目から直4に加えて直6をラインアップしており、3代目からその後最終モデルまで最上級グレードとして“グランデ”が設定されている。2代目では最上級グレードとなるGSLがありこれは6気筒となり、グランデも6気筒となる。ベーシックグレード自体は4気筒となるのだが、6気筒にもいくつかグレードがあり、豪華装備を持たないベーシック6気筒グレードとして2及び3代目ではL、4代目ではLEが設定されていた。
LやLEでは、6気筒エンジンを搭載しているのに、パワーウインドウすら標準装備されない簡素な装備となっていた。「ゴージャスでなくてもいいから6気筒エンジン搭載車が欲しい」というニーズへ向けたグレードであった。ちなみに3代目LではATではフロア式のほかコラム式も選べ、4代目LEでは、ほかの6気筒車がMTは5速MTのみだったのに対し、4速MTも選べるようになっていた。