この記事をまとめると
■マツダの販売チャンネル「オートザム」から販売されていたAZ-3についてプレイバック
■ユーノスからは「ユーノスプレッソ」という兄弟モデルが販売されていた
■海外ではロードスター(MX-5)の弟分的位置として「MX-3」として展開された
海外ではロードスターの弟分的な扱いだったAZ-3とは
マツダが展開していたオートザムブランドからリリースされていたAZ-1は、軽自動車でありながらガルウイングを採用したミッドシップレイアウトというスーパーカー顔負けのプロフィールで、現在でも高い人気を誇っている車種として知られている。
車名の「AZ」は販売チャンネルであるオートザムを意味しており、数字は車格を表していたため、オートザムブランドで販売されるもっとも小さな軽自動車ということで「AZ-1」となったのだが、じつはAZシリーズにはほかの車種も存在していた。それがAZ-1の兄貴分とも言える「AZ-3」である。
このAZ-3は1991年6月に登場したモデルであるが、同年3月にユーノスブランドからリリースされていた「プレッソ」の兄弟車となっており、外観上の違いはエンブレム類程度となっていた。
ただ、世界最小排気量のV6エンジン(1.8リッター)を搭載したという触れ込みで登場したプレッソに対し、軽自動車やコンパクトカーが中心となっていたオートザムブランドからリリースされたAZ-3は、直列4気筒の1.5リッターエンジンを搭載しているという大きな違いが存在していたのだ。
しかし、1993年9月にAZ-3にはV6が、そしてプレッソには直4がそれぞれ追加設定されることになり、両車の違いは限りなく小さくなってしまっている。
とはいえ90年代中ごろくらいまではまだまだコンパクトなクーペというのも一定の需要があった時期で、トヨタ・サイノスや三菱ミラージュアスティなどとともに一定数の販売台数はキープしており、結局1998年まで販売が続けられ、最終的にAZ-3とプレッソ合わせて22万台以上が販売されることとなった。
ちなみにAZ-3/プレッソは北米や欧州でも販売されており、現地では「MX-3」という名前でロードスター(現地名MX-5)の弟分となっていたというのも面白いところ。
彼の地では日本仕様に設定されていなかった1.6リッターエンジンもラインアップされていたほか(V6もあり)、左ハンドル仕様はインパネの形状が日本仕様とは異なり、ファミリアアスティナ(輸出名323F)のものが流用されているなど、細かな仕様違いも興味深いモデルとなっていた。