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エレクトリカルパレードやゴッドファーザーの曲じゃダメ? EVやHVの「接近通報音」の規定とは (2/2ページ)

エレクトリカルパレードやゴッドファーザーの曲じゃダメ? EVやHVの「接近通報音」の規定とは

この記事をまとめると

■モーター走行ができる電動化車両は20km/hまでの走行時に音を出すことが義務化されている

■走行音は規定に適合して認可されたものであれば好きな音を選択してもよいとされている

■サイレンや警報音、動物の鳴き声、自然現象音などは不適当とされていてNGだ

電動車の低速走行時に走行音を出すことは義務化されている

 ハイブリッド車やEVが低速で走っているときに、個性的な電子音が聞こえることを不思議に思った人も多いかもしれません。「昔からあんな音してたっけ?」「なんでせっかく静かなEVから音を出すの?」といった、さまざまな意見があると思います。

 でも従来のガソリン車など内燃機関を搭載するクルマのエンジン音や走行音は、歩行者にとっては目で確認できない場所から近づいてくるクルマに気づくための要素ともなっており、ハイブリッド車やEVといった、エンジン音が出ず、走行音もほとんど出ないクルマの場合には歩行者が気付きにくく、実際に事故の危険性を感じた人や、「音がしなくて不安を感じたことがある」といった意見が自動車メーカーや自治体などにも寄せられるようになり、国土交通省がガイドラインとして対策を通達。徐々に自動車メーカーの対応も進み、現在では日本で販売されるすべての電動化車両のなかで、モーターのみによる走行が可能となっているクルマは、20km/hまでの走行時に音を出すことが義務化されています。

 これは国土交通省の自動車局が2016年10月に道路運送車両の保安基準等の一部改訂を行い、その際に新型車は2018年3月8日から、継続生産車は2020年10月8日から、「ハイブリッド自動車等の車両接近通報装置」を義務化したためです。改訂前は、夜間や閑静な住宅街などで音を出したくない場合に、ドライバーが任意に音を消すことができるスイッチがありましたが、現在はEUを中心に日本を含め52カ国が加盟するWP29(国連欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム)の第168回会合で、新たに「静音性車両に係る協定規則(R138)」が採択され、そのなかで車両接近通報装置を停止させる機能の搭載が禁止されたため、音を消すことはできなくなっています。

 ただ、この協定規則に定められた車両接近通報装置の性能要件には、細かな項目で音の設定があるのですが、その規定に適合して認可されたものであれば、ドライバーが好きな音を選択してもよいとされています。それなら、もしかして昔憧れたテレビドラマの「ナイトライダー」のメロディや、「ゴットファーザー」のテーマ、ディズニー好きなら「エレクトリカルパレード」の音などにしたら楽しそう! などと思いますよね。果たしてそれは可能なのでしょうか。

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