この記事をまとめると
■2023年の登場を控えるデリカミニ発表に際して三菱デリカの52年の歴史を振り返る
■乗用タイプで初めて「デリカ」を名乗ったのは1969年に登場したデリカバン/デリカコーチだ
■現行型はすでに登場から15年を経過しているが2019年のマイナーチェンジで人気が再燃した
多くの人に愛される三菱の最強ミニバン
三菱自動車から驚くべきニュースが飛び込んできた。そう、2023年初夏に、ekクロススペースをベースにしたクロスオーバーモデル、デリカミニがデビューするという予告である。
パジェロの軽自動車版のパジェロミニがなくなって久しいが、今日のSUVブーム、アウトドアブームの最中、これはうれしく注目すべき新型車と言っていい。
ところで、現在のデリカD:5は2007年にデビューした3列シートミニバンの皮をかぶったオールラウンダーな本格SUVと表現できる、世界的に見ても唯一無比の存在だ。ベースはアウトランダー(先代)で、デビュー前にダカールラリーのサポートカーとして完走した経験を持つ本格派。デビューから15年を経ても、たび重なる改良を受け続け、いまも多くのファンに愛され、信頼されている三菱ならではの最強ミニバンと言っていい。
そんなデリカだが、デリカミニの登場予告を機に、初代デリカバン、コーチの発売年の1969年から数えて50年以上を経たデリカの歴史を振り返ってみたい(乗用車系)。
デリカという車名が付いた初めての三菱車は1968年のキャブオーバートラックとバンであった。が、一般向けの乗用タイプとしてのデビューは、翌1969年に登場した1BOXタイプのデリカバン、デリカコーチ(9人乗り)になるだろう。
2代目デリカの乗用モデルとして1979年にデビューしたのがデリカスターワゴン。1975年の生産終了までに8/9/10人乗りが揃い、2/3列のフルリクライニング機構や対座シートを採用。エンジンはガソリンのほか、三菱自慢のディーゼル、MTもあり、1982年にはロングボディを追加。
パジェロでもおなじみのエクシード、デリカの冬季限定の特別仕様車としてもなじみ深いシャモニーというグレード名が付けられたのもこの世代からである。
3代目デリカの乗用モデルは1986年にデビュー。フラットなルーフ、プロテクター付きのワイルドなバンパー、ハイルーフ、ルーフのほとんどの部分がガラス張り(サンルーフ)になるクリスタルライトルーフ、スライドドアといった特徴のほか、ロングスライドパーソナルシート、世界初の電動サンシェードを用意。
パワーユニットはガソリン、ディーゼルターボなど排気量も多彩だった。