この記事をまとめると
■ロータス・カーズを創設したコーリンチャップマンはF1シーンでも大活躍
■ホンダの創業者である本田宗一郎氏は胸アツなエピソードに事欠かない
■フォードとクライスラーの社長を歴任したリー・アイアコッカはヒットを連発するもそれ以上の負の遺産を残した
中古車の改造屋からF1チームオーナーに成り上がったチャップマン
リーマンショックより昔のことですが、アメリカの3大メーカーの社長が交代する際、カーガイ(Car Guy)かそうでないかで、株価が変動するということがたびたびありました。つまり、クルマ会社のかじ取りをするのが生粋のクルマ好きかどうかに、市場が興味を示していたということ。
ショック以後にはカーガイという呼び名は廃れたのか、それとも多様性を重んじる風潮からか、あまり見かけなくなりました。加えて、現在ではカーガイが社長に就任するとそれだけでニュースになるくらいですから、自動車会社の社長も銀行出身者や他産業からの乗り換え組も増えてきたということにほかなりません。
もちろん、自動車メーカーも利益を追求する企業ですから、そこに異を唱えるつもりは毛頭ありません。が、熱狂的なカーガイが社長を務めているというだけで、なんとなく好感が増すことも否めません。
例えば、コーリン・チャップマン。言わずと知れたロータスの創始者にして、エンスー社長の名をほしいままにした人物です。それこそガレージで中古車を改造し、レース参戦、ついにはロータス・カーズを設立したばかりか、F1シーンでの活躍ぶりは伝説的といっても過言ではないでしょう。
そうした栄光に輝く一方で、ビジネスマンとしてのチャップマンは決していい評判ばかりでなかったことも事実。コスワースに対するフォードのスポンサーシップや、かのデロリアン買収についても耐えず灰色の噂がつきまとっていました。
それはさておき、エンジニアリングのセンスに加え、ビジネスの勘所もビシッとおさえるカリスマ経営者のパイオニア! それだけに、彼が心筋梗塞でこの世を去った後はブランドの失速が目立ったものです。とはいえ、現在はチャップマンがいた当時と同じくらい「走ってる」ブランドに復活を遂げていますけどね。