最近のホイールでは空力面も考慮して設計されているものも
ホイールが割れるなんて信じられないと思うかもしれないが、質の悪いホイールでサーキット走行をすると、スポークの付け根部分にけっこう亀裂が入るし、一般道でもなくはない。アルミホイール黎明期には問題になったことがあるほどだ。
ただ、軽いというのは重要なポイントで、よく耳にするバネ下重量の軽減につながる。バネ下重量が軽いとどうなるかは、よく鉄下駄と木の下駄で例えられるが、重たいと転がしたり、走ったり、止めたりするのに力が必要で、ブレーキの負担や燃費など、意外に広い範囲に影響が及ぶ。また凹凸を乗り越えるときの衝撃が強くなったり、路面への追従性にも関係してくる。
キチンとしたアルミホイールというのは、ただデザイン性を求めるのではなく、重量や剛性、強度も考慮に入れながら、作られていると言っていい。
そして最近、ホイールのデザインに影響が出てきているのが空力だ。ボディまわりは風洞実験や解析を駆使して、徹底的な空力低減が図られているなか、ホイールとタイヤは、今まであまり手つかずの改善余地ありの部分とされる。すでにプリウスやレヴォーグなどで、アルミホイールに樹脂パーツを組み合わせたりしているのはこれを受けてのこと。
今後はフィンタイプなどが増える可能性があるが、こちらも闇雲に空力性能を突き詰めると、デザインが今ひとつになりかねないだけに、じつに難しい。いつの時代もデザインと性能のバランスには苦労するというわけだ。