一体型にしないのはセキュリティ強化のため
話は戻って、それほど密接にクレジットカードとETCは紐付けられているなら、クレジットカードにETC機能をプラスして使えばいいのではないかと思ったりする。ETCの登場時には、駐車場の支払いなどにも使えるようにするといった計画も聞こえていたが、結局は通行料の支払いのみとなっているだけに、なおさらだ。
実際は、ETCカードの機能がプラスされたクレジットカードというのはあって、一体型などと呼ばれている。一般な別々で持つタイプは分離型となる。なぜ一体型が普及しないのか不思議に思えてくるが、じつは法律が関係している。2018年に割賦法が改正されて、カードのセキュリティ強化が定められたことをきっかけに、一体型は廃止となった。
理由はETCカードは差したままにすることが多く、盗まれやすいから。クレジットカードの機能が付いていると、オーナーが気がつくまでに不正利用ができてしまうので、場合によっては被害は大きくなってしまう。一方、ETC機能だけなら不正利用は無理で、せいぜい自分のクルマで使うしかないし、足も簡単に付いてしまうので、盗むメリットはまったくないと言っていい。
こういった背景があって、一見すると便利なクレジットカードにETCカードをプラスというのはないというわけだ。