ロールス・ロイスの真髄はビスポークにあり
ボディのサイドにまわり込むと、お馴染みのボディラインは健在。そのなかでひときわ個性を放つのが、新デザインの22インチ・ステンレススチール製ホイールだ。三角形をテーマに複雑に3D形状で削り出され、大柄なボディでのっぺりしがちなサイドビューにアクセントを与えている。
一方、贅を凝らしたインテリアは、ステアリングホイールが少しだけ太くなった以外に既存モデルからほとんど変更はない。といっても、ファントムに関しては、多くのモデルがビスポークで仕立てられるため、この世に同じインテリアを持つモデルなどはそうそう存在しないのだが……。
もちろん、今回のイベントで日本初お披露目されたファントムシリーズIIもビスポークによって仕立てられたものだ。コーディネートをしたのは、昨年10月にロールス・ロイスのアジア太平洋リージョナル・ディレクターに就任したアイリーン・ニッケイン氏。
一見するとマットブラックのように見えるボディカラーも、じつはトップコートされたパール塗装という複雑なカラー。ホワイトのレザーにピンクのパイピングが施されたインテリアも個性的だ。
ビスポークといえば、発表会の会場にはロールス・ロイスの世界観とビスポークの可能性を体験できるゾーンが設けられていた。そこにはビスポーク・セールスの責任者であるクリストファー・コーデリ氏とビスポーク・エンブロイダリーのスペシャリストであるジョシュア・リレス氏も来日しており、過去の施行事例を参考に、ロールス・ロイスの深遠なビスポークの世界を紹介してくれた。
ファントムシリーズIIの日本での価格は6050万円から、エクステンデッド(ロングホイールベース)に至っては7007万円からとなる。ビスポークプランによってはこのプライスに、かかった分だけの費用が追加されていく。気が遠くなりそうな金額ではあるが、世界に1台しか存在しない自分だけのファントムシリーズIIが手に入ると考えれば、それは相応しい対価なのかもしれない。
そして、そう信じ込ませてくれるだけの世界観が、ロールス・ロイスには確かにあることを教えてくれる発表会だった。