と、なかなかの仕上がりを見せる新型クラウンのクロスオーバーモデルだが、試乗したCROSSOVER G Advancedグレード、設計基準となる19インチタイヤ装着車に関して言えば、切る、戻すどちらの方向にも言えるステアリングフィールの気持ち良さは褒められるものの、粒の荒い舗装を走った際、ステアリングに微振動がビリビリ伝わり続ける点は、トヨタ最上級車種としてちょっと残念な部分(同じ道でステアリングに微振動があった同クラスのクルマはほかに知らない)。21インチタイヤではあまり感じられないことのようだが、開発陣もそこは確認しているようで、早急の対策を望みたい。
クラウンCROSSOVER G Advancedの価格は510万円。同じG Advancedグレードでも60万円高となる570万円のレザーパッケージを選択するとタイヤは自動的によりスタイリッシュな超大径21インチになるが、スタッドレスタイヤの選択肢が限られるとともに、タイヤチェーンも布製しか装着できないとのこと。が、それでもレザーパッケージを選ぶメリットはある(雪国の人は別にして)。というのは、例のステアリング振動の件だけでなく、レザーシートはパンチング表皮となり、前席ベンチレーションシート仕様になる点だ。とくに真夏、シートベンチレーションは乗り込んですぐにエアコンの風を吸い込んでくれることで、背中や腰回りを涼しくしてくれて、汗をかきにくくなり、暑さが和らぐ快適感とともに、シャツなどの背中のシワが低減されるメリットもあったりする。