いまタクシーを呼んでも断られる異常事態! もはや「ライドシェア」解禁しか解決はない (1/2ページ)

この記事をまとめると

■いま日本のタクシー業界は乗務員不足による危機的状況が進んでいる

■そこで期待されているのがライドシェアサービスの解禁だ

■解禁にはさまざまな問題があるが、早急にライドシェア解禁に向けた議論をすべきときが来ている

タクシーを呼んでも「配車できません」と断られるケースが続出

 本稿執筆直前、東京23区及び武蔵野・三鷹市において、タクシー運賃が初乗り420円(初乗り区間1052メートル)から500円(初乗り区間1096メートル)に、その後の加算運賃(爾後運賃)も、233メートル80円から255メートル100円へ上がることが報道された。メディアでは値上げの背景を、乗務員の労働環境改善や、タクシー車両への設備投資などのためとしている。

 いま、タクシー業界は静かに危機的状況が進んでいる。全国各地でタクシーを利用したいので、電話などで配車要請しても「配車できません」と断られるケースが多発しているのだ。筆者は東京隣接県で県内最大都市に住んでいるが、最近はタクシーを呼ぼうとしても感覚的には10回中8回は配車を断られているといっていい状況となっている。しかも残りの2回も遠くにいる車両を手配してもらったり、空車になるタクシーを待ったりと、なんとか配車してもらっているのが現状となっている。

 平日ならば、お年寄りなどが病院へ向かう時間と、診察を終え自宅へ帰る時間帯はほぼタクシーを呼ぶのは絶望的となっている。最初は、筆者の居住する地域特有の問題なのかと思っていたら、全国各地で散見でき、大阪市内でも配車が困難になるケースが目立っているとの話を聞いている。

 このような問題が起きる背景は、需要がコロナ前のレベルとまでは言わないが、かなり戻ってきているのだが、乗務員の充足状況が悪い、つまり乗務員不足により稼働している車両が少ないことが挙げられる(需要と供給のアンバランスが顕著になっている)。

 高齢乗務員は新型コロナウイルス感染拡大により、自らへの感染も怖いというのもあるが、これを潮時として現役引退する人が後を絶たなくなった。そこまで高齢とはいかない乗務員も、感染リスクを減らす意味や収入がタクシーより見込めるとして、通販商品の配送ドライバーへ転身する人が多く、新型コロナウイルス感染拡大により乗務機会が激減したタクシー乗務員から一時的に離れるつもりだった人すら、なかなか戻ってこないという。

 ある事情通は「都市部を中心に配車アプリというものが普及していますが、いまはダウンロード件数を増やす動きよりは、乗務員を増やすことを急務としているようです。ダウンロード件数を増やしてもなかなか配車できなければクレームにもつながりますからね」と話してくれた。

 前述した運賃値上げが乗務員を増やす一助になればいいが、日本も新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着きを見せるなか、タクシー業界だけでなく、広く世間で人材不足に悩んでいる状況では、事態の早期改善はなかなか期待はできないだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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